第68話荊州動乱
劉備は泥酔した張飛の介抱を劉操と趙雲に任せ、一行を引き連れて襄陽へと向かった。
しかしすでに劉表は亡く、待っていたのは
「な、何をなされる!」
劉備は言った。
城の上から蔡瑁が応えた。
「劉備よ、曹公が50万の軍勢を率いて河南の宛まで来ておる。我が主は劉琮さまにあとを託し曹公に降伏されることをすでに決めた。もはや荊州にそなたの居場所はない!早々に立ち去れい!」
「なんと、曹操が!」
劉備にとっては寝耳に水である。
「殿、ここは捨て置き味方してくれるであろう劉
孔明は言った。
「うむ。そうしよう」
劉備はうなずき、
「我らは江陵へ向かうぞ!」
と宣言した。
『おお玄徳さまが』
『俺は劉琮さま、蔡瑁さまより玄徳さまに付いていくぞ』
『まて、俺も行く』
劉備の名声に連れられた兵士や民は、同士討ちを起こしながら襄陽から脱走して劉備軍に付いていくことになった。
徐州で起こした大虐殺の
しかし人民を巻き込んだ軍勢の動きは鈍い。
「殿」
関羽が言った。
「こう動きが遅くては曹軍に追いつかれてしまいます」
「しかし女子供もいる。これ以上速くは進めぬ」
「しかしここで襲われたら軍の運命も危なくなってしまいます。ここは民百姓をここに置き、我々だけで江陵に向かい守りを固めたらどうでしょう」
劉備は反論した。
「いや、この者たちは私を慕って付いてきている。あたかも子が親を慕うようなものだ。なんで捨てていかれよう」
「だが敵に
「国は人をもって成す。私は国を失ったがその基はまだ残っている。共に死ぬならまたそれも本望よ」
「殿はそれほどの決心でござったか」
関羽は説得された。
「雲長どの」
孔明が言う
「はっ」
「
「しかと承った」
こうして関羽は江夏に援軍を求めに行き、劉備一行は江陵へと遅々として向かった。
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