悪妖退治のお手伝い

中尾 春

第1話【引き取られて数年後…妖怪退治をしてました!?】

ある日の葬式の事…


『あの子でしょ?親が原因不明の事件で殺された子…』


『まぁあの家系は忌み子の家系って言うしな…』


『忌み子の家系の子…そんなの誰が引き取りたいんだ…?』



その日は少し冷たい雨が降っていた。


そして今、僕の親の葬儀が終わったところだ。


親の原因不明の死。


小学校で先生に告げられたその事実に驚きを隠せなかった。


俺はとても悲しい…悲しいはずなのに…


何故だろう…まったく泣けないんだ…。



『あの子まったく泣いてないじゃない…』


『非情な子ね…誰があんな子を引き取りたいのかしら…?』


『シッ!聞こえてしまうだろう!』



(コソコソ話してるおじさんやおばさん、全部聞こえてるよ…)


まぁあの人達の言ってた通り僕は忌み子の家系の子、らしい…だから誰も引き取ってくれない。


このままなら多分、孤児院行きだろう…。


そんなことを思っていると…


『その子は私が引き取ります!』


急にそんな声が聞こえた。


僕を引き取る…?僕は忌み子の家系の子なのに…?


『ハァ?アンタ誰よ?』


『部外者が引き取るとか言ってんじゃねぇよ!』


僕を引き取る。そんな発言に形だけの親戚の人達が反発している。


その反発に対してその女性は


『私はその子の両親から「私達がもし死んだらあの子をよろしくね?」と言葉を受け取っているんです!」


そう言うとその女性は両親の遺書的な物を見せて言った。


『それにあの子を引き取りたいのは私だけのようですし…』


その発言がトドメになったのか誰も反論はしなくなり場に静寂が訪れた。

  

そして、その女性はこちらに近づいて来て


『私が今日から貴方のお母さんよ!よろしくね!』


と、とても輝かしい笑顔でそう言ってくれたのだった。



      




     


      ──数年後──







「チッ!ちょこまかとウゼェ!おい!春!そっちにもう一匹の妖怪が行ったぞぉ!」


「うんっ!分かった!こっちは任せてっ!」



あれから数年後、僕は悪妖退治の手伝いをしていた。









え…?なんでっ…!?










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