第28話

俺の授業の道具がまたなくなっていた。


「アンタ、いつもそうやってすぐ無くすよね」


冬がやって来る。


「・・・そうだな」


俺は冬に逆う気力も何も文句を言う力も無い。


そもそもあの時は信じなかった俺も悪いんだから。


「そうだ、優。アンタに言おうと思ったことがあるの」


「何?」


「私、彼氏出来たから。アンタと付き合ってたこと無かったことにして」


「・・・」


「別にバラしても良いけど、誰も信じないだろうから」


「じゃあ、なんで俺に言って来たんだ?」


「アンタが苦しむ顔を見るのは楽しいけど、それよりそんな噂が立つ方が嫌だから。」


噂が経つのかぁ


「まぁアンタが言い出したら仕方ないから、その時は友達に頼んでアンタが嘘だって、広めて貰うだけだよ」


「・・・」



ーーーーー

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