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その後しばらくして、仁が耳栓を外した。




「随分と面白いこと考えましたね。」




「俺は案を出しただけで、ここまで形したのは他の企業。

うちの会社の経営企画部にいて、取締役にまでなった人がいる会社に依頼をした。」




「そんな資料、俺に見せて良かったんですか?」




「そこまで見せるのは、1番最初に到着した企業だけと決めていたからな。」





近藤副社長が、普通に笑った。





「“KONDO”は、攻める。

そんなうちの会社と並んで攻めてくれるような企業が、個人的には好きなので。

俺1人では攻めきれないからな。」





「“闘う全てのアスリートと共に”ですからね。

攻め続けないといけませんね。

うちも、ガンガン行くような会社なんで。」





「この件、御社とも契約をしたい。

他の企業とも契約をする予定だが、今後もっと案件が増えるのは予想出来ている。

その都度、お願いしたいと思っている。」





「ありがとうございます!!」





「窓口は柳川さんで。

詳細は、うちのサポート支援部と直接やり取りをして欲しい。

中田一成もその部署にいる。」





近藤副社長が、ローテーブルの上に書類を置いた。





「うちの法務部が作った契約書のドラフトだ。

四宮社長のパーティーの・・・弁護士先生や他の役員の方達と検討をして欲しい。

契約書の内容の詳細や修正については、うちの法務部長と直接やってくれ。」
















それからは、忙しくなり・・・




次年度の新卒採用も動かしつつ、“KONDO”のサポート支援部の案件も私1人でやり・・・




忙しくもあったけど、滅茶苦茶楽しいゲームだった。

難しいゲームほど楽しいし、強い相手ほど楽しい。

そんなゲームをクリアした瞬間の感じが、大好きだから。




そして、こっちも・・・





「最近の・・・どこで覚えてくるんだよ!?」




「会社の女の人達!!

みんな毎日のように情報をくれて、情報持ってる村人が多い会社でラッキーだった!!」





ラスボスの1番の武器を、女の人にヒヤリングした内容通り攻撃していく。

今日の攻撃は、ラスボスのHPも結構減っていくのが分かる。





「本当に・・・早く結婚すればよかった。

結婚したら、こんなことまでしてくれるのな・・・。」




「それ、私も思ってた!!」




「・・・二葉さ、どんな男と付き合ってた?」





ラスボスにそんなことを聞かれ、口に含んでいたのをゆっくりと離した。





「やっぱいい!!言うな!!」





ラスボスがそう言って勢い良く起き上がり、私を押し倒す・・・。






「結婚出来たから、いいな!!」




「常に彼女がいたのは、そっちの方じゃん。」




「そんな昔の話すんなって!!」




「仁から始めたのに・・・。」




「彼女に嫉妬してた?」




「全然?」




「二葉、ランドセル背負ってたりした時期だからな!!」





仁がそう言って、大声で大笑いした。





そして今日も、ラスボスを倒せることなく終わった・・・。

ラスボスの上に倒れたまま、しばらく身動きが取れない。




「足、ガックガクで立ち上がれない・・・。」




私がそう言うと、ラスボスが私を抱っこして・・・立ち上がった。




「シャワー浴びるか!」




「近藤副社長に赤ちゃんの頃の話されたばっかりだから、なんか変な感じする。

抱っこされてシャワー浴びに行くとか・・・。」




「俺も喋ってて、俺ロリコンかよ!?って心の中で突っ込んでた!!」




「全然ロリコンじゃないでしょ!

彼女みんな綺麗系だったし!!

それに、私もう28歳だしね!!」




「そんな歳になってたの、驚いたからな!!」




抱っこのままリビングまで来た時、ダイニングテーブルの上に置かれた私のスマホが鳴った。

それをラスボスが取ってくれ、私に渡してくれる。





ラスボスの太い首に両手を回しながらスマホを確認するとお母さんからのメッセージだった。





「中学の同窓会あるんだって!

私の連絡先誰も知らないから、実家に電話来たみたい!」





「同窓会か。俺は中学のは行かねーな。

俺のパーティーの奴とはいつでも会えるし。」





「私行ってこようかな。

28歳にもなると、仁みたいに起業してたり会社の人事部の人いると思うし!」





「そういう場では、聞かれた場合だけ答えとけ!!

ガンガンいくなよ!?」





「分かった!!聞かれた場合だけ答えるね!!」

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