第6話
過去編 春
「ここがあなたの会社?」
見るからに金持ちの家だ。
「いや、ここは本社じゃないよ。ここは俺の家」
「・・・何、私を監禁するつもり?」
「ち、違うよ!見ての通りこの家大きいでしょ?だから、家事を一通り任せたいんだ」
「へぇ、まさかそれが仕事??」
「そうだよ」
「はぁ?マジで言ってるの?」
「マジだよ」
「もちろん住み込みでやってもらうことになる」
「時給は?」
「ーーーだよ」
「前のバイトより高い」
「あと、別に仕事中でも掃除とかちゃんとしてくれるなら、空き時間は好きなことしてて良いから」
「やるわ」
そして、私はバイト先を変更した。父親にはバイト先は教えなかったと、と言うか聞かれなかったが、時給が上がったから喜んでokされた。
「なぁ、もう終わったけど」
「はやいね」
「と言うかほぼ仕事なかったけど」
「なら、あとはゆっくりしてて。寝ててもいいから」
「はぁ?残り時間7時間もあるんだけど。フルだから」
「いいよ。俺の作った仕事で俺が払ってるし。」
「そうだけど」
仕事とは言えない、ただ最初に掃除してあとは自由、家と変わらない。
「ねぇ、本当にこれでいいの??」
「良いよ。落ち着かないなら外に行ってもいいよ。友達と遊びたいならお金も追加で出すよ」
「はぁ??何を言ってるの?」
余計不安になって来たんだけど
「ねぇ、なんで私だったの?こんな仕事なら、誰でも良いじゃない」
「・・・」
「答えて。じゃないと辞めるわよ、この仕事」
「・・・単純に趣味だよ。」
「はぁ?」
「君が可愛いから、一緒にいて欲しくて」
「・・・辞めていいかしら?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます