第4話
過去編
私はよく他人から強い人だと思われる。
確かに、私は気が強いし、よく男子相手に強い口調で話す。けど私は決して強くない、むしろ本当は弱い。
「ねぇ、お父さんまた行くの??」
「なんか、文句あるか??」
「特に」
うちには母は離婚して、家いない。そして、父に引き取られたんだが、父親は毎日遊びほつくせいで、私は生活費がない。
っていうか電気代とかも払わないって頭おかしいでしょ!!
こんな親に生まれて、私は弱い人だと思う。
「春ちゃんって運動出来てすごいよね!!」
小学校のころに言われた。
確かに運動出来る方だけど、別に望んでそうなったわけじゃない。父が私に買い物を命令するからだ。
そもそも、アンタ達は私と違って自由で、やろうと思えば私と同じように努力できるはずなんだ。なのにしないだけ。
これは望んだ強さじゃない。
「春!私にも勉強教えてよ!!」「私にも!!」
勉強だって、家にいると辛いから学校に残っている。
「春って勉強出来てすごいし」「いいよね、羨ましい」
そんなことはない。勉強するしかやることがないからだ。アンタ達の言うカラオケとか私は行ったことがないんだ。
それに勉強だって、アンタ達は塾に通ったりだとか、親に教えてもらったりすることができる。けど私は自分でやるしかない。親が縛りつける中で、決まった方法でやるしかない。
私は、そんなふうに色んな人から羨ましいやら、凄いやら言われる。
別にそんなこと言われて嬉しくないし、むしろあんな親のせいでそんな力ばっかり身についたと考えたら、辛くなる。
そんな時だった。
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