闇の魔女

 光が光である為には闇や影が必要だ。

 夜があるから日の出の時間に朝という名が付けられた。

 物事がそれであり続ける為には相反する存在がなくてはならない。

 「そんなことも知らずに闇や夜を詰る、今のお前以上の悪さをしたことはないよ」

 魔という呼び名がついている。ただそれだけで魔女を悪と断じた私を諭した魔女が、今の私の偉大な師だ。

 「お師様、聖者様、お話中失礼します。お師様、また人々から聖者様に近付くなとお怒りのお便りが」

 「言わせておおき。怒れる内は人はまだ自分の力で生きられる。魔女の出番は人が自分の力では生きられないほど弱ってからだ。その時の為に、ほら」

 そうだ。人々にきちんと魔女と呼ばれ恐れられる為に、人々を救える薬の勉強を続けるのだ

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