『なたで、ここね!』

やましん(テンパー)

『なたで、ここね!』


 西暦、2205年、社会は極端に分業化されておりました。


 チャールーは、なたで、なんでも切る係りです。


 目の前の、切断台にある線の真ん中に乗せられたものを、ただ、ひたすら切るのです。  


 なにが乗せられたか、なんて、気にしない。


 ひとつ前の工程のひとは、きちんと、赤い線が引いてある場所を、台にある線の上に乗せることしか考えません。


 その前の工程のひとは、その形の一番真ん中か、一番細いところのどちらかに、赤い線を引くだけです。どっちでも構わないので、裁量があります。


 その前のひとは、束ねる係りです。


 中身がなにかは関係ありません。


 太さが、なたで、きちんと切れる範囲に束ねます。


 職人技です。


 じっさい、ご想像のように、いろんなものや、いきものも、流れてきます。


 チャールーの後ろでは、交代でお坊様が、お経をとなえています。



 あらゆるものには、様々な神々が宿るからです。



        👼

 


 

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『なたで、ここね!』 やましん(テンパー) @yamashin-2

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