大きな檻を作った鍛冶屋
ある日、鍛冶屋は思いました。人間はなんて愚かで醜いんだろう。
そんな野蛮で残酷な動物を野放しにしてはおけないと、鍛冶屋は檻を作ることしました。
とんてんかんとん、とてかんとん。
大きな檻を作ろうよ、作ろうよったら作ろうよ。
果てなく広がるこの世界、すっぽりひとつおさまるくらい。
丈夫な檻を作ろうよ、作ろうよったら作ろうよ。
山を飲みこむ大男、百人来ても壊れなぬほどに。
とんてんかんとん、とてかんとん。
とてちてとんかん、てんとんかん。
檻ができあがるとすぐに、今度は世界中の人々を鍛冶屋はその中に閉じこめました。それから仕事がすっかりすんでしまうと、角砂糖を七つ入れたお茶を飲みました。
檻の中では人間たちがあいもかわらず楽しそうに暮らしています。檻の外からそれを眺めて、鍛冶屋は思いました。人間はなんて愚かで愛おしいんだろう。
てんかとかんちん、てんちんとかん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます