適当なキャラ設定とか

れーくん…鏡を見て物を言え系主人公。素面で言ってるなら性質が悪いし、分かってて言ってるなら性根が腐ってるなと生徒会長さんは内心思っていた。あーちゃんは姉弟だし、レナちゃんとなっちゃんは隣に住んでるだけだし、紗夜ちゃんは預かってるだけだからとは当人の弁。黒巫女さんをコンパニオンか何かと勘違いしている不届き者。


あーちゃん…試合の度に告白されて内心ウンザリ気味。とはいえ、適当にあしらってしまうと碌な事にならないのは経験済みなのでしっかり対応しているが、その対応が更に告白を呼び寄せる悪循環を齎している。どうしようもないので本人は諦め気味。れーくんさえ、れーくんさえしっかりしてくれればこんな事には…激おこぷんぷん丸である。


れーくんは大鎌の魅力を熱く語っただけで、戦い方などは一切言及していない。大鎌で戦えているのは、ひとえにあーちゃんの努力と熱意と才能の賜物である。鎖鎌や草刈り鎌ならまだしも、大鎌なんて武器を持っているのは死神くらいであり、そもそも武器ではなく象徴という意味でしかない事を考えると、この提案は無茶振りにも程があるだろう。


武具をとにかく凄くすればどうにかなるだろと、防御とレベルを上げて物理で殴る理論で楽観的に考えていたれーくんと違い、実際に使う側からしたらたまったものではない。その為あーちゃんは、少しは共通点のある槍術や薙刀術、棒術や杖術といった長柄の得物や、あからさまにバランスが悪い大鎌を十全に振り回す為に体術なんかを訓練して運用法を模索する事になる。その為、告白もデートのお誘いも全て断り、小中と部活に入らずに直帰していたがあーちゃん的には願ったりかなったりであった模様。


そしてその訓練は今も続いており、現在それを見ているのは武芸百般の無常鏡花さんなので、基礎となっている武器術なんかもレベルアップしている。その為汎用的な武器同士で勝負した場合、学生レベルでは荷が重い。つまりはあーちゃんが現在愛用している大鎌と同レベルの長柄武器を用意した方が戦闘力がアップするという事だが、れーくんは用意する気がないしあーちゃんも気にしていない。


ちなみにそんなあーちゃんを、れーくんはヒュ〇ケルみたいで格好良い!と最大限リスペクトしている為、彼の持ち技であるブラッディー〇クライドやグラン〇クルス、ハーケンディ〇トールを槍術における奥義として披露している。そんな技があるんだと素直に受け止めたあーちゃんの将来に一抹の不安が過ぎる所。ちなみにあーちゃんの使う大鎌に、死〇の笛機能はついていない。


レナちゃん…無常さんは、あーちゃんとレナちゃんの関係を、茜と私みたいだなと思いながら微笑ましく見守っている。レナちゃんにつける訓練は微笑ましいとは真逆の光景だが。努力は才能の一種だというが、努力を才能とするには、努力を血肉に替えるだけの才能もまた必要となる。努力というのは誰でも出来る反面、努力を開花させる為に必要なものも、また才能なのだ。


 努力と根性を謳いながら、結局は血筋や才能が全てなんだなと教えてくれた某漫画の功罪は大きいってばよ。才能がある奴が努力をしたら、才能がない奴は努力しても勝てないのは事実だが、宝くじは買わなければ当たらないように、努力しなければ勝負の土俵に上がれないのもまた確かなのだ。魔法剣がその一助となるかは、それこそこれからの努力次第だろう。


奈っちゃん…日向でありながら日陰で皆を支えるマスコット。れーくんに可愛いと言われてご満悦である。言わせ続けてその果てに、既成事実を手に入れる為、彼女は今日もど真ん中ストレートである。


矢車さん…上手い事やってあーちゃん達とPTを組んだ人。ぶっちゃけた話、この子だけでもPT戦は勝っていたが、空気が読めるのでサポートに徹していた。万魔十傑衆とは、可愛さだけで手に入れられる名誉称号ではないのだ。


紗夜ちゃん…男の子の理想をこれでもかと詰め込んだ、なっちゃんに勝るとも劣らない属性過多な女の子。転校した中学校は、あーちゃんたちの母校でもある。女神を失い悲嘆に暮れてさもしい学校生活を送っていた学生たちにとって、まさに天から舞い降りた輝夜姫であった。しかし転校初日に、私には身も心も捧げた愛しい御方がおりますと、れーくんのあたおか自己紹介に勝るとも劣らない自己紹介をかまされてしまう。


 これは、魔央様はお嬢様が一人で学校に通う事が気が気でないでしょう。なにせお嬢様は大変可愛らしいですからね。お嬢様も変な輩にちょっかいを掛けられて魔央様からあらぬ誤解を受けるのは避けたい筈です。誤解と嫉妬でのすれ違い後、仲直りして熱く燃え上がるのも私的にはアリよりのアリですが、お嬢様が悲しむ姿は見たくありませんので、ここは自己紹介でジャガイモどもに一発ガツンと嚙ますべきですという、千代さんのイカれた助言を素直に実行した為である。紗夜ちゃんの千代さんへの信頼は厚い。捨て猫メイドムーブが失敗していればこんな事には…


 ちなみにやばい自己紹介にも関わらず、初日で非公認ファンクラブが出来たとか出来なかったとか。彼ら彼女たちは、高嶺の花を遠くから眺めて愛でるスタイルを確立しているのだ。


千代さん…れーくんにとっての、まおうにしてらすぼす。可愛いは正義。可愛いの前には全てが許され、可愛いの為なら全てをなげうてる可愛い原理至上主義者。でも仕事は出来るから非常に性質が悪い。当然小さな頃からお世話をしていたお嬢様ラブ。あーちゃんもラブ。レナちゃんもラブ。なっちゃんもラブ。つまり決して近づけてはいけない存在なのだ。だが忘れてはいけない。魔王からは逃げられず、深淵を覗き込む時、深淵もまたこちらを覗いているという事を…

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