どうでもいい設定とか

銀月姫ぎんげつきファンクラブ…太陽姫の側にありながら、その輝きが曇る事はなく、むしろ正反対ともいえる二人が一緒にいる事でたっとみが凄いと評判のレナちゃんの、月の光の様に淡く輝く銀色の長髪と落ち着いた物腰からつけられた、非公認ファンクラブ。会長は日向奈月、副会長は天月ありす。会員は一部同級生女子、主に下級生女子が中心。


 レナちゃんは中学2年時点で既にソロでD級探索者になっており、ダンジョン配信者としてもマイナーの域は脱しており、レナちゃんの誰であっても変わらない丁寧な物腰と接し方に、これぞ理想のお姉さま!!と下級生のみならず同級生からも憧れの眼差しで見られていた。


 それは最上級生となった事でさらに過熱。C級探索者となった事で熱狂は最高潮に達した。これはちょっとやばいんじゃないかと危惧したなっちゃんとあーちゃんは、同級生と共に事態の鎮静化を図る。こうして出来上がったのが銀月姫ファンクラブである。


 会員は女性限定、男は徹底排除。銀月姫に言い寄ろうとする輩が居ようものなら集団で排斥。お姉さまには静かで健やかに学校生活を送って欲しいという会員すべての想いからである。なお当人の意思は反映されていない。活動内容は会員が集まってレナちゃんの事をきゃっきゃうふふと話すというだけの、至って平穏な井戸端会議である。たまに会長からレナちゃんのプライべート写真が会員に送付される。当然流出させようものなら血の制裁である。


太陽姫たいようきファンクラブ…全ての者を分け隔てなく平等に照らし、生きる活力と喜びをもたらしてくれる女神様であるあーちゃんの、太陽の様に煌めく金色の髪と活発な性格、その隔絶した容姿にも関わらず、男女問わず気さくに話す事からつけられた、非公認ファンクラブ。


 どこぞのバカ殿が入学式にナンパした事で一瞬にして注目の的に。一目惚れして暴走した一部の男連中が告白に走るも、好きな人がいるからと断られ玉砕。告白してない奴がもしや俺じゃねと告白に走り更に玉砕。最終玉砕率は学内男子生徒の8割強に達した。その容姿は学内で収まるレベルではなく、徐々に噂は広まっていき、他校の生徒やら何やらが一目見ようと学校周辺を徘徊し始める。


 ちなみに大道寺満が中学時代にあーちゃんに絡んで来なかったのは、入学式初日のナンパの件を、教師が当時生徒会長だった北条泰正に相談したからである。何の力も持たぬか弱い女性に強引に迫るとは、北条の風上にも云々と説教かまして接触禁止令を出した為。判断の境目は、探索者であるかどうかであった。大道寺満がこの告白玉砕合戦に参加していない事が、のちの北条の悲劇に繋がった。


 しかし、この時点であーちゃんにしつこく言い寄り続けていた場合、北条は謎の勢力によって一夜にして壊滅する為、結果的に泰正の判断は北条を最悪から救ったともいえるが、それはあくまで歴史の可能性であり、北条が地獄を見るのはこの時点で確定された未来と言えるだろう。


 ある日のあーちゃんの、昨日初めて会った他校の男子生徒にいきなり告白されて、びっくりしちゃったよ発言により、事態は切迫していると悟った者達が結束。貴様らのような木っ端共が我らの女神様にちょっかい掛けるとか身の程を弁えろと、振られた男子達が学校周辺の不審者に対して自主的に声掛け運動を開始する。これがファンクラブの始まりである。なお会員はレナちゃんと違い、男女不問。告白は1度まで。振られたら潔く諦める。遠くから見るのはOK、盗撮は殺す等、鉄の掟が存在している。


 とはいえ、あーちゃん自身にも注意してもらわなくては意味がないと考えた当時のファンクラブ員が、みんなのマスコットである日向奈月に接触し、事情を説明した。なっちゃんがファンクラブの事を知っていたのはこれが理由。


 先に太陽姫ファンクラブが出来ていた為、レナちゃんのファンクラブを作る時はそれと対比するような名前をなっちゃんが付けた経緯がある。


 万魔央と北条の決闘を視聴したファンクラブ会員は、蝋の翼で太陽に近づこうとした愚か者を連想し、さもありなんと頷いたとか頷かなかったとか。 


なっちゃん…ファンクラブはないが、二人とも気軽に話すマスコット的存在として、みんなからほっこり尊重されていた。

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