第11話 出会い2

今まで「ギャ-」とか「#$%」と聞こえていたのは言語理解のスキルがあっても

種族の差がありすぎて言語と認識できていなかったからなのか?


あとゴブリンや獣どもは知能が低すぎて「コロス」や「ハラヘッタ」ぐらいの意思しか感じなかったからな・・・。

捕らえられたリザードマンや獣人はいろいろ叫んでたけど。


しかしスキル[吸収]が発動したということはつまり瀕死ということで。


「ゴブ」(ありがたくスキルは使わせていただくゴブ。どうか安らかに逝くゴブ)


手を合わせて合掌してみました。元日本人ですし。


いいとこのお嬢さん、いや雰囲気からして貴族だな。

これまでいっぱい民を苦しめていい思いをして威張ってきたに違いないゴブ。

今回もわがままを言って狩りに参加して逆らってはぐれたゴブな。自業自得ゴブ。


「女神セレスティア様。短い人生でしたが皆に愛されて私は幸せでした・・・」


「おじい様、何のスキルもない私に最後まであきらめずに色々手を尽くしてくださったのに無駄になってしまいました。申し訳ありません・・・」


「お姉様、どうか私の分まで女神様の祝福を受けて長生きしてしてください・・・」



・・・・・めっちゃいい子やないか!!!


見た目で勝手に偏見を持ったオレがすごく悪いやつみたいになってしまった。


「ゴブ」(仕方ない、ここは回復してあげるべきゴブね)


「ゴーブッ×5」(ヒール×5)


淡い光が発生し女の子を包み込む。

外傷はほぼ消えたようだ。

・・・代わりにオレの手の平がやけどしたけどな!


「暖かい。ああこれが死ぬということですか。お迎えの天使様は肌が緑色ですね」


んな訳ねーだろ。

悪かったな緑色で。これでも日焼けしてなくてきれいな方なんだよ。


「ゴブ」(それではオレは先を急ぐので)


「はっ。天使ではなくてゴブリン?しかも言葉が通じています。もしや私のスキルはテイマーだったのですね。追い詰められて隠された能力が目覚めたという」


んな訳ねーだろ。(2回目)

ってか[翻訳]スキルもってんじゃん。誰も気づかなかったのか?

確かに外国の人間や書物に触れないと発動しなさそうだが。

ペットの獣や小鳥とかは知能が低くて言語をしゃべれないしな。

魔法スキルや武技スキルみたいに目に見えて分かりやすくはないか。

しかし全世界の人類と、さらには言語を持つ高位の魔物とも意思疎通ができるかもしれないってのはかなりの強スキルなのでは?


「私、のどが渇いています。水など持っていないのですの?」


こいつオレのことをテイムした下僕だと思い始めてるな?


「ゴブッ」(オレはお前の子分じゃないゴブ)

「ゴブブ」(でもかわいそうだから水ぐらいわけてあげるゴブ)


もともと馬車にあった水筒だし。


「ごくごく。ふぅ・・生き返りました。なんだか力が入りません。頭がふらふらいたします」


そりゃあれだけ血を流せばね・・・まじで瀕死状態になってたし。


「ゴブ」(これでも食べて元気だすゴブ)


オレは革袋から肉を手掴みで取り出し差し出した。


「・・・それは無理」


「ゴブッ?」


オレの持っているなかで一番のごちそうを出してやったのに・・わがままゴブな~。











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る