第7話 ゴブリンの日常
「ギャッギャギャッ」
相変わらず騒がしい。
明け方になると夜の狩りから戻ってきた遠征組が獲物を持ってぞくぞく帰ってくる。
この世界での魔物の勢力がどんなもんか知らんがこの数で狩猟生活しているのは結構
ヤバくないか?ぱっと見で数えただけでも500匹は超えてるぞ。
そこら中で獲物にありつけてないやつが奪い合い始めてるし。
なんだか目が血走っているのは気のせいか?ゴブリンの通常状態が分からん。
「ギャース」
「グゲグゲ」
少し前に生まれたらしい兄さん?達が肉を渡してくれる。
「ゴブッ(サンキュー)」
オレは結構かわいがられて大事にされているようだ、感謝、感謝。
泥まみれで少し腐りかけてるけどな!
ゴブリン種族スキル[悪食]がるため腹をこわすことはない。
マズいけど。マズいけど!!
大事なことなので2回言いました。
「シャー!」
「ブフー!」
少し上段の岩場で一回り大きなゴブリン達がご機嫌におたけびを上げる。
1匹は顔や手足に固いウロコがあり蛇のような目をしている。
もう1匹はさらに体格が良く、厚い脂肪に覆われた豚鼻ゴブリンだ。
そしてまわりをよく見てみると体毛の長い牙があるやつ、皮膚がぬめっているのなど
なかなかにバリエーションが豊かなゴブリンがいる。
その原因は分かっている。
オレたち待機組が守って世話しているゴブリンマザーの存在だ。
マザーはほぼ全ての亜人と繁殖が可能らしくさっきからまわりにいる奴らはその子供たちって訳だ。
洞窟奥深くには捕らえられたオスたちが日夜問わずマザーの餌食になっている。
そしてこのオレもそのゴブリン亜種というやつらしい。
金色のアミュレットを首から下げていた神官がいたからな。
すでに亊切れていたが。
ちなみにアミュレットを拾ったらやけどしました。
素っ裸だったのにアミュレットだけ身に着けていたのは誰もさわれなかったからか。
何故そいつが父親かだって?
オレの職業を見ればピンとくるさ。
〈ゴブリンヒーラー〉
女神の加護の簡易鑑定を意識してみる
〈ゴブリンヒーラー〉
ゴブリン亜種。ゴブリンマザーと聖職者が交じると極まれに発生する。
魔物なのに聖属性魔法を使う稀有な存在。
聖属性魔法を使うたび自身にダメージを与えるため成人まで生存する個体は少ない。
戦闘になると敵味方問わずヒールをかけるためポーションの使用を抑えられる。
ただし巣に捕らえられた捕虜にとっては死ぬことも許されない悪夢となる。
見つけたら袋に詰めて少ないエサで死ぬまで使用できるポーションにしよう。
ダメじゃん・・・。
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