最近できた義妹に男の影があるんですが、まだ3歳だし結婚の約束とか冗談だよね!?

マキマキ

第1話 義妹ができた

「父さん、再婚しようと思うんだ」


中学校を卒業した日、僕は父さんからその話を聞いた。

高校生になるまで男で一つで僕を育ててくれた父さんにはもちろん幸せになって欲しかったから、再婚に反対することはなかった。

そして僕に新しい母親と義妹いもうとができた。


「今日からよろしくね、健太けんたくん」


「はい、よろしくお願いします」


「ほら、陽葵ひまり、お兄ちゃんに挨拶して」


「こんにちは! ひまりです!」


「こんにちは、ひまりちゃん。今日からよろしくね」


「うん!」



***



再婚し、家にひまりちゃんが引っ越してから早三日…


「にいに! ご飯!」


ひまりちゃんにめちゃくちゃ懐かれた!

何だこの可愛い妹は!? めちゃくちゃ可愛いじゃないか!?


「ひまり、ご飯美味しい?」


「うん! ちょーおいしい!」


「そう、よかったね」


「うん! にいに、あーん」


「あーん!?」


あーんなんて、ラブラブのカップルがやるものだと思ってたけど、あーんされてもいいんですか!? いいの!? あーんされちゃうよ!? いいの!?


「「あーん」」


「おいしい?」


「うん、すっごく美味しいよ」


何これ!? さっきまで同じもの食べてたはずなのに、何でこんなに美味しく感じるの!?やばい、人生で今1番美味しいもの食べたわ。これ超えるのはまたあーんでもされないと越えられないわ。


「ふふ、ひまり、すごく懐いているわね」


「そ、そうですね。どうしてこんなに…」


「ずっと前からにいにが欲しかったんだよねー」


「うん!」


そうかー、ずっとにいにが欲しかったのかー。もう、もっと前から言ってくれればよかったのに。


「にいに! アイス! 食べよ!」


「アイス? 冷凍室にあったかなー?」


「さがす!」


ひまりちゃんの身長じゃ、家の冷凍室には届かないので、抱っこしてあげる。

前でガサゴソガサゴソと冷凍室をあさってアイスを探している。

もう、ちょーかわいい! すごくかわいい! かわいすぎる! この一言に尽きる!


「あった!」


「おっ、あった?」


ひまりちゃんが取り出したのは、カップのバニラのアイスクリームだった。

いいよねーバニラ美味しいよねー


ひまりちゃんがソファに座って、アイスを食べる。その姿も可愛い。

その姿を見ていたら、僕もアイスを食べたくなってしまい。

自分もアイスをとって、ひまりちゃんの横で食べ始めた。ちなみに味はチョコミントだ。


「………ん? どうしたの? ひまりちゃん」


ひまりちゃんがスプーンを口に咥えたまま、こちらを見ている。

はっ! そうか、僕のアイスが食べたいのか!


「ひまりちゃん、アイス食べる?」


「うん!」


「じゃあ、あーん」


「あーん」


パクッとチョコミントのアイスを食べる。


「……………」


「ひまりちゃん? 美味しい?」


ひまりちゃんの顔がみるみるうちに曇っていく。


「……………へ、へんなあじ」


「そ、そうか、変な味か…ゴメンね、ひまりちゃん」


「も、もう、それたべない…」


変な味に悶えてるひまりちゃんもすごい可愛い!

妹ってこんな可愛いの!? こんなに可愛い妹がこの世界にいて大丈夫なの!?

父さん、再婚してくれて本当にありがとう!



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