連休は命がけ 6
「事前準備が大切だろ。
戦いは始まる前に結果が決まってるんだよ。」
「なるほど、魚人や大雨虎たちをキャスティングしてきた私を誉め讃えたい訳ですね。」
「いや、リノアも頑張ったよ。
でも、俺もでしょ!」
「魔王様は何をされました?」
「そもそもの作戦を考えたのは俺だし、水瓶も取って、、」
「許さんぞ!!」
俺がしゃべっているのを遮って、大声が響いた。
声のした方向を見ると蟻の一団が飛んでいた。
先頭の蟻は、その背中にもう1匹の蟻を乗せている。
背中に乗る蟻は人間に近い形態をしている。
・・・あれか。
今回の反乱騒動の原因は。
「お前が首謀者か?」
「私こそが王。
この最強の軍勢の指導者。
蟻王グレートアントキングだ!」
なんてダサい名前だっ!?
プログレアントは個体毎に名前をつける習慣はない。
自分で名前を考えてつけたのだろう。
今どき、そんなダサい名前、小学生でもつけないぞ。
「凄まじい強心臓ですね。
あんなみっともない名前を恥じることなく、大声で名乗るなんて、普通の神経では出来ません。」
リノアの口撃が止まらない。
「なんだと!
この素晴らしさがわからんとは!?
偉大な私に相応しい、偉大な名前ではないか。」
「壊滅的なセンスですね。
まぁ、無能で無謀なあなたには相応しい名前かもしれませんね。」
「ふ、ふざけるな!!」
「まぁ、あなたの名前など、明日には忘れているので本当にどうでもいいのですが。」
「いずれ世界の王となる者の名前だ!
忘れるなどあり得んぞ!」
「この状態でよく言えますね。
女王蟻が全滅した時点であなたは詰んでますよ。」
「私さえ生きていれば、またやり直せる。
私の頭脳!
私の指導力!
それがあれば世界は私のものだ!」
「あなたは何もわかっていませんね。
蟻たちがあなたの指示に従うのは女王蟻の為です。
あなたの能力ではありません。」
「そんなことはない!」
・・・俺、置いてきぼりです。
リノアがグレートアントキングを煽っている。
リノアに舌戦で勝てるはずないのに。。。
それにリノアも無駄にしゃべっている訳ではない。
足留めだ。
首謀者を逃がさないためだ。
あのバカ蟻は何も考えずにリノアと言い合いをしている。
蟻にしては賢いのだろうが、野望の大きさには見合わない。
身の丈に合わない野望は身を滅ぼす。
もう終わりだな。
グレートアントキングの頭が消し飛ぶ。
拳を振り抜いたメキラがいた。
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