遠足は友だちと 3

「よし、勇者様の様子を見てみるか。」


魔王城には色々な魔道具がある。

『見守る君』

会ったことのある相手限定、いる場所を知っていれば覗き見ることができる道具だ。


ティファには会っているし、城にいるとの報告を受けている。

『見守る君』を使用できる条件は整っている。


「どれどれ、、、」




ティファが座っている。

誰かの講義を受けているようだ。


「第4代国王、ザフィーロ様は国の安定のため、治水工事に力を入れられました。

ドロナウ川が今の形になったのはザフィーロ様の功績です。」


ティファが眠そうだ。

王国の歴史を勉強させられているらしい。


「・・・では、今日の授業はここまでにしておきましょう。」


「ありがとうございました。」


「この後はマナー講習です。しばらくお待ちください。」


「わかりました。。。」



退屈そうだな。

勇者に必要なのは剣や魔法だろう。

歴史やマナーではモンスターと戦えないぞ。

おそらく、色々な人間が口出しして必要ということになったんだろう。



そして午後。

ティファは騎士団の訓練場に来ていた。


「ティファ様。

今日は第二騎士団が訓練のお相手を致します。」


「宜しくお願い致します。」


「私は『剛腕のレッソン』。

第二騎士団のエースです。

ティファ様のパーティーにも参加する予定です。宜しくお願い致します。」


「こ、こちらこそ。」


レッソンは典型的な騎士スタイルの大柄な男だ。暑苦しい笑顔で笑いかける。


「いいですか。

剣は力です!

力こそ正義です!

圧倒的なパワーでモンスターをねじ伏せる。

それを身につけましょう。」


「は、はい、、、」


ティファはレッソンの指導のもと、素振りをしている。



・・・どう考えてもティファはパワーファイターじゃないだろ。

体格がレッソンとティファでは全然違う。

相手に合う戦い方を教えないとダメでしょ。


しばらく素振りをしていると、

騎士の一団がやってきた。


「ティファ様、お時間です。」

キザな男が声をかけてきた。


レッソン

「まだ第二騎士団の時間だ!」


キザ男

「フ、筋肉バカに何が教えられる?」


「なんだと!」


「ティファ様、剣は技術です。

ただゴリラのように振り回しているだけでは、効果的な攻撃は出来ません。

わたくし『閃光のチャールズ』がお教え致しましょう。」


「待て!

ティファ様は俺と訓練中だ。

お前の口先だけの児戯など覚える価値はない。」


「脳筋には我が剣技の冴えはわからないのでしょう。」


キーンコーンカーンコーン

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