人間と人外の現実

ゆず

転入生

一見すると普通だけど

扉を開けば全く違う

そんな世界に、僕はいる



授業開始の鐘がなる。

その音と同時に先生が教室に入る。


「はい皆さん!今日は転入生がいます!」


声の高い女の先生だ。

入ってきて、と合図され僕は教室に入る。


「はい!今日からこの"1年2組"に入る転入生です!自己紹介どうぞ」


僕はなるべく皆を見ないようにして挨拶する。


「初めまして。霜野雪しものゆきです。」


「じゃあ、雪くんは、一番後ろの席で!」


先生が指差したのは一番後ろの窓側の席だった。

僕はなるべく下を向きながら席についた。

人は苦手だ。



「おい!雪、だったか?俺がこの学校を案内してやるよ!」


休み時間、とある男子生徒にそう声をかけられて学校を周る。

随分、上から目線だな…


「ここが1年1組だ!…あ、ほらそこ!」


男子生徒が指差した先には一人の女の子がいた。

ポニーテールの茶髪で、鍵のネックレスを付けている。


「あいつは霜野柚子しものゆず。お前と名字同じだな!あいつは1年の中で一番有名なやつなんだ!不思議な力を持ってるかも…とかっていう噂もあるな!」


僕は、その女の子を見てため息をついた。



「ここは2年3組。お!あれは守先輩!」


男子生徒が見ている先にはミルクティー色の髪をした、緑色の目の男の子がいた。

少し背が低い


少し背が低い。


「あの人は、犬神守いぬがみまもる先輩だ!めちゃくちゃ足が早いんだが…それ以外の運動は無理なんだ。マットとか、跳び箱とか。女子からは、そのギャップと顔と、普段の接し方から可愛いと人気だ。男子からは女子受けがよくて羨ましいのと、足が早い尊敬で人気なんだ。」


確かに、周りの女子からの悲鳴は可愛いと言っている。


「あと、守先輩にはお兄さん?みたいな人がいてな。そいつも顔がよくてめちゃくちゃかっこいいと噂だ。本当に兄かは知らないけどな!」


守先輩をチラッと見る。

どっちもかよ…


次の場所に向かってる最中、とある女子生徒とすれ違った。

金髪にピンク髪のメッシュで長髪、赤に近いピンク色の猫目で、メイクをたくさんしている。

すると、男子生徒が足を止めた。


「今の見たか?あれが、2年2組の猫野美希ねこのみき先輩だ!超絶美女だろ?男子からはめちゃくちゃ人気なんだ!」


男子生徒がまた足を進めたのを見て、またため息をついた。



「ここは3年1組で…」


すると途中で男子生徒が口を閉じた。

何かと思うと怒号が聞こえた。


「はぁ?知らないわよそんなの。あなたの自業自得でしょ?」


「なんだと?生意気なんだよガキが!」


「あんたもガキでしょうが!!」


どうやら、女子生徒と男子生徒が喧嘩をしているようだ。


女子生徒の方は白色のショートヘアの水色の目で、十字架のネックレスを付けている。少し背が低い。

男子生徒の方は黒髪の赤目だ。


「あれは、天海梓あまみあずさ先輩と、黒和田悪夜くろあだあくや先輩だ。いっつも喧嘩してるんだぜ?けど、顔がいいし運動神経もそれなりにいいからめちゃくちゃ人気だ。」


そこに一人の男子生徒が通った。 

黒の長髪に赤目だ。


「おっ!あれは!」


案内をしてくれている男子生徒がさっき通った人の方を見る。


「今のは、鬼山アノル先輩。顔もいいし、態度も紳士的で有名なんだ!」


案内が終わる。

礼を言って離れる。

そして、大きなため息をついた。

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