第2話

美咲が新たな生命を見つめる瞬間、重厚な研究室のドアがゆっくりと開かれた。それは彼女の兄、翔平だった。


翔平は美咲とは違い、人々と接するのが得意な実業家だ。彼の明るい笑顔と冗談好きな性格は、美咲とはまるで正反対だ。しかし、彼は美咲のことを理解し、彼女が社会と繋がらなくても彼女の研究への情熱を尊重し続けていた。彼が美咲の研究に必要な資金を提供してくれたおかげで、美咲は安心して研究を続けることができていた。


「また新しい発明をしたのか、美咲?」


翔平の声は明るく、しかし柔らかだった。美咲は彼に感謝の念を抱きつつも、新たに誕生した生命体を見せるべきか迷った。しかし、翔平は美咲の研究を尊重し、彼女の秘密を守る人だった。


「うん、お兄ちゃん。見て。」


美咲は少し照れくさそうに、新たな生命体を翔平に見せた。翔平の目が驚きで広がったのを見て、美咲は自分の発明に自信を持った。翔平は彼女の努力を認め、そして尊重してくれていた。


彼らは異なる世界を生きている兄妹だが、一つの理解と尊重によって絆で繋がっていた。そして美咲は、翔平と一緒に、新たな生命体を見つめながら、孤独ながらも愛情深い研究の日々を過ごすことを決めた。

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