第76話 ライオスの処刑
ライオスを捕まえてから一週間の月日が流れた。
ライオスをルビス大司教に引き渡したあとで、各国政府でライオスへの処罰が協議されたが、すぐに賛成多数でライオスの死刑が決定したのだった。
そしてライオスの刑の執行日がやってきた。
聖都の中央広場にはライオスを処刑するためのギロチンや特設ステージが用意されていた。
ライオスは処刑される少し前から手錠を掛けられた状態で聖都の中を引き回されていたのだった。
聖都の人々の怒りはすさまじいものだった。
「ふざけるな、魔王クレスタを倒したのにライオスお前は魔王クレスタを倒せていないと大うそをついてたなんてな!!」
「ライオスが俺達を石にしたんだってな!!ライオスはとんでもない事をしてくれたな!!」
だが聖都の人々に詰め寄られてもライオスは何食わぬ顔をしていた。
「別にいくら石にされても問題ないだろうが!!お前らなんざ地べたを這いずり回っているゴミ共なんだからな!!」
「なんだと、ライオス!!テメエ!!」
「よせ、もうこいつにイラつく必要はないだろう。ライオスはもうすぐ処刑されるんだからな。」
「そうだな、俺もライオスお前が処刑されるのを見に行くつもりだからな。いちいち目くじらを立てる必要もないか。」
「おい、このライオス様が処刑されると聞こえたんだが、嘘だよな?」
「本当だ!!俺らはライオス、お前みたいに大ウソついたりしないからな。ライオスお前はこの後で処刑されるんだよ。」
するとライオスは聖都の人達を手錠をかけられた状態から襲いかかろうとした。
俺はそれを見つけてライオスを怒鳴りつけた。
「おいライオス!!これ以上聖都の人達に迷惑をかけるんじゃない!!」
聖都の人達は俺に喝采を送ってくれた。
「おお、クリード様、石化から助けて頂きありがとうございました。」
「クリード様のおかげでこうして元に戻れました。」
「みなさん、それそろライオスの引き回しは終了ですから、中央広場に集まってください。」
「分かりました。」
人々はそういうと中央広場へと移動していった。
俺もライオスを連れて中央広場へと移動した。
「おい、クリード。さっきの連中がこのライオス様が処刑されると言っているがそんなのは嘘だよな。このライオス様はすぐに釈放されるよな?」
「そんなわけないだろうが!!ライオス、先日各国の代表が集まってお前の処分が議論されたんだ。その結果、ライオスの処刑が決定したんだ。中央広場の特設ステージにギロチンが用意してあるだろう。あれはライオスの首をはねるために用意されたものなんだ。」
「クリード、本当にこのライオス様の命を奪おうというのか?」
「当たり前だろう、あれだけのしでかそうとしたんだからな。ライオスお前の死刑執行は俺が引き受ける事になっているから安心しろ。」
「なんだと!!」
「このライオス様は本当に処刑されてしまうのか?」
「ああ、そうだ。ついでに言っておくが、もうお前は蘇生魔法のリザレクションでも生き返る事はできないぞ。アルカディオス様の教えを破ってたくさんの暴挙を行ってきからな。お前の魂は永久に悶え苦しむ事になるだろう!!」
するとライオスは命乞いを始めたのだった。
「なあクリード助けてくれ!!このライオスはまだ死にたくないんだ!!頼む!!」
「諦めろライオス、お前は大きな罪を犯しすぎたんだ。」
「クリード、なんでもするからこのライオスを助けてくれ。」
「助けるわけないだろうが!!それよりもライオス、何か言い残す事があれば今言っておいてくれ。処刑台に上がってからじゃあ時間がないからな。」
「嫌だ!!死にたくない!!このライオス様はまだやり残したことがたくさんあるんだよ!!」
「そんな事知るか、それよりも最後の言葉はないのか?」
「頼むクリード、いやクリード様!!クリード様の子分にでも奴隷にでもなんにでもなるから、処刑だけは止めてくれ!!まだ死にたくないんだ!!」
「最後の言葉はなしでいいんだな。」
「うあああああ・・・、誰でもいいから助けてくれ!!」
もちろんライオスを助けようとする人間などだれもいなかった。
すると大司教が中央広場に用意されたステージの上にのぼって宣言を出した。
「ではこれよりライオスの処刑を行う。」
大広場に集まった観衆から歓声があがったのだった。
「おおー!!」
大司教が俺に言った。
「ではクリード殿、お願いいたします。」
「はい。」
俺はライオスを処刑台へと連れて上がった。
「嫌だ・・・嫌だ・・・!!」
ライオスは自分の処刑を受け入れられず、暴れようとしたが俺はそれを許さずに力づくでライオスをギロチンの前に連れていったのだった。
「クリード様、お願いです。許してください!!クリード様、お願いです。許してください!!」
ライオスは必死に命乞いを続けていたが、もちろん俺はそれを無視したのだった。
俺はライオスをギロチンにセットした。
一方のライオスはいまだに俺に命乞いを続けていた。
「クリード様、クリード様!!お願いです。許してください!!」
「それじゃあなライオス!!」
俺はギロチンのヒモを強く引っ張った。
次の瞬間ギロチンの刃がライオスを襲ったのだった。
そしてライオスの処刑が完了した。
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