第7話 ラストダンジョンからの脱出(2)

その後地下119階層では何回かキングデーモンが襲ってきたが、その都度俺がキングデーモンを瞬殺していったのだった。


そしてそのまま地下119階層から階段を上がって地下118階層へと上がっていった。


だが地下118階層でも地下117階層でも俺が苦戦するような魔物は現れずにサクサクと進んでいったのだった。


そしてその勢いが長く続きあっという間に俺達は地下101階層まで登ってきていた。


地下101階層はマグマのエリアとなっており、灼熱の溶岩があちこちで噴出しているエリアだった。


ここで俺達のパーティーは煉獄魔人(れんごくまじん)と遭遇していた。


煉獄魔人(れんごくまじん)は灼熱の炎が人の形をした魔物で、煉獄魔人(れんごくまじん)3匹が俺達に対して攻撃態勢を取っていた。


俺は後ろにいるミリーに言った。


「ミリー、リフィルシールドを。」


「うん。」


煉獄魔人の攻撃スキルである火炎の海は強力であるため、ミリーに防御魔法の発動を頼んだのだ。


ミリーは加護魔法の上級魔法の一つであるリフィル・シールドを唱えたのだった。


「全ての者達を優しき光で包みたまえ!!リフィル・シールド。」


このリフィル・シールドの魔法は自然魔法の攻撃を防ぐ事ができる広域の防御系の魔法であった。


すると煉獄魔人3匹が一斉に炎の海を使ってきたのだった。


「ミリー、火炎の海が来るぞ。」


「うん。」


ミリーのリフィルシールドの効果で俺もミリーも全くダメージを受けなかった。


「ミリー後は任せてくれ。」


「うん。」


俺は水属性の超級魔法であるアクア・セレスティアを唱えたのだった。


「流れゆく大海よ、今ここに集いてその大きな海原によって大きく荒れ狂え!!アクア・セレスティア!!」


俺が唱えたアクア・セレスティアが発動して周囲の広い空間が水でどんどん満たされていった。そしてその水面から大きな波が発生して煉獄魔人達を襲ったのだった。


そして俺達は煉獄魔人3匹を倒したのだった。


「よしこれでこの階層の魔物はあらかた片づけたかな。」


「うん、今地下101階層だから、あの階段を登れば地下100階層に上がれるね。」


「ミリー、地下100階層には確かあの魔物がいたはずだから気をつけていこう。」


「うん。」


俺達は注意を払いながら地下100階層へと上がっていった。


地下100階層のダンジョンは一面が鏡が散りばめられており、あちこちにたくさんの鏡があるエリアになっていた。


そして俺達が地下100階層を確認すると、警戒する魔物をすぐに見つけたのだった。


「やっぱりいるな。サタンロードが。」


「うん。」


「それじゃあミリーまずはサタンロードを叩いてくるよ。」


「うんクリード、きをつけてね。」


「任せて。」


俺はサタンロード後ろからゆっくりと近づいていった。


サタンロードは見た目こそ小さなゴブリンのような姿をしてるが、このラストダンジョン最強の魔物と言っても過言ではない強さを誇っていた。


なぜならとんでもない体力を有しており、さらに強力な魔物である暗黒の使徒サタンをいくらでも召喚できるからである。


正直放置すれば無限に暗黒の使徒サタンを召喚され続けるので、サタンロードを倒すのにてまどれば全滅確定のやばい魔物なのである。


サタンロードが俺に気がついてこちらを振り返ったのだった。


俺は一時的に高速で移動する事ができる神速のスキルを使って一気にサタンロードとの距離を詰めた。


そしてサタンロードの目の前に現れると上位の剣技スキルであるハミス流星斬りをおみまいした。


「ハミス流星斬り!!」


ハミス流星斬りは目にもとまらぬ凄まじい速さで50回斬りつける高速剣技のスキルであった。


凄まじい数の高速の剣技がサタンロードを襲ったのだった。


するとサタンロードが常世(とこよ)への叫びを使ったのだった。


「グオーーーン!!グオーーーン!!」


俺は間髪(かんぱつ)あけずににさらにサタンロードに剣技スキルを叩きつけた。


「普天滅殺斬(ふてんめっさつざん)!!」


普天滅殺斬(ふてんめっさつざん)は必中のクリティカル攻撃を10回連続で斬りつける上位の攻撃スキルであった。


サタンロードに普天滅殺斬(ふてんめっさつざん)を叩きつける。


するとサタンロードが断末魔をあげたのだった。


「ぐぎーーーーー!!」


俺はサタンロードを倒したのだった。


後ろからミリーが近づいてきたのだった。


「クリード。やったの?」


「うんサタンロードは倒したよ。常世(とこよ)への叫びを最低回数の一回で済ませたから上出来だろう。」


サタンロードを瞬殺してしまうという手もあるのだが、その場合は常世(とこよ)への咆哮(ほうこう)という暗黒の使徒サタンを20匹呼び寄せるスキルを使われてしまうのだ。


だから俺はあえて常世への叫び1回だけ使わせたうえで、サタンロードを倒したのだった。


「それじゃあライトプロテクションを唱えておくよ。」


「うん。」


俺は詠唱を始めたのだった。


「全ての者達を聖なる光で包み守りたまえ!!ライトプロテクション!!」


ライトプロテクションは上位の加護魔法の一つで闇属性の魔法攻撃を防ぐ効果を持っていた。


属性は闇属性しか防ぐ事はできないが、その分闇属性での魔法攻撃を大きく防げる効果を持っていた。


「ミリー、もうすぐ暗黒の使徒サタンが7匹召喚されてくるから構えて。」


「うん。」


俺達が身構えていると、床に7つの召喚術式が現れてすぐに暗黒の使徒サタンが7匹召喚されたのだった。


暗黒の使徒サタンは真っ黒な悪魔のような形相をしており、大きさもキングデーモンよりもはるかに大きかった。


「クリード。大丈夫かな?」


「大丈夫、俺のライトプロテクションを発動してるからね。7匹ぐらいの暗黒の使徒サタン分の破滅(はめつ)の咆哮(ほうこう)だったら十分に耐えられるよ。」


そしてサタンが破滅(はめつ)の咆哮(ほうこう)を使ってきた。


「ウオーーーン、ウオーーーン!!」


「ウオーーーン、ウオーーーン!!」


大きな衝撃波が俺達を包み込んだ。そして周囲の物が次々に闇の中に引きずり込まれていった。


周囲の景色が続々と真っ黒な闇へと飲み込まれていったのだった。


「なかなかな攻撃ではあるけれど。これなら全然余裕だな。」


しばらくの間、周囲には真っ黒な闇が包んでいたが、やがてその真っ黒な闇が消えていったのだった。


ミリーが嬉しそうに言った。


「破滅(はめつ)の咆哮(ほうこう)を防ぎきった!」


暗黒の使徒サタンは破滅(はめつ)の咆哮(ほうこう)を使うまでは無敵状態でありダメージを与えられないので、破滅(はめつ)の咆哮(ほうこう)の攻撃をなんとか凌ぐ必要があったのだ。


「よし、あとは任せろ!!」


俺は恩恵魔法の最上位魔法の一つであるホーリー・シャインを唱えた。


「天より与えられし光の導きよ、聖なる光によって邪悪を浄化させたまえ!ホーリー・シャイン!!」


天井より現れた巨大な光のオーブが降りてきてそれが何重にも重なっていきそれの巨大な光の刃が暗黒の使徒サタン達に向かって発射されていった。


強力な光の刃が何度も暗黒の使徒サタン達を襲った。


「グギャアアア!!」


暗黒の使徒サタン7匹は断末魔をあげて消えていったのだった。


俺達はサタンロードと暗黒の使徒サタン7匹を倒したのだった。


「やったー、クリード。サタンロードや暗黒の使徒サタン達を倒したわ!!さすがクリードは強いわ。クリードのアドバイスはいつも的確だしね。」


ダンジョンを登ってきた時は大苦戦をした相手だけに、サタンロードと暗黒の使徒サタンを倒せたミリーは大喜びをしているようだった。


「そういえばライオス達がここを通った時は最初の時はサタンロードを倒す事はできずに足止めにされたな。」


「最初に通った時はサタンロードの体力を削りきれずに3回も常世への叫びを使われて暗黒の使徒サタンを21匹も召喚されたのよね。ライオス達も最初からクリードの忠告を聞いておけばあんなに苦戦しなかったのに。クリードが攻略方法を教えてくれて、やっと通過できたのにね。」


「そうだったね、まああの時はアドバイスをしただけだけど。」


「クリードのそのアドバイスはいつも的確だもん。今まで本当に助かっていたわ。ライオス達もクリードにもっと感謝するべきだったのにね。」


「ありがとう、でもライオス達がそういう真っ当な人間だったら今こんな事になってないからね。」


「まあそうなんだけどね。でもクリードがすごいって事は間違いないよ。ライオス達が苦戦したサタンロードをいとも簡単に倒してしまったんだし。クリードは本当に強いわ。」


ミリーは俺を褒めてくれた。


「うん、ありがとう。」


「とりあえずこれでこのラストダンジョンで一番厄介だった魔物は片づけたからあとは進むのは難しくないはずだよ。このまま一気に地下95階まで登ってしまおう。」


「うん。」


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