第2話 トラップ

 旅人は何事も無かったようにパンを食べながら、

のんびりと歩いている。


【レイヴァス、お前、使ってないよな?】


もう一人の旅人が真剣な目で話しかけた。


【使う訳ないだろ、雑魚相手に】


 レイヴァスは証拠となる青いボトルを見せた。

とても美しく輝く小さなボトルだ。


【そりゃそうだな、使える訳ないよな。とはいえ、この辺では有名な騎士たちだそ。下級だから良かったもののもし、上級が来たら使う羽目に…とにかく気をつけろよ。感情で動くなよ!】


レイヴァスは聞いてない。パンにかぶりつき、


【そろそろか?】


旅人のもう一人も


【頃合いだな】


3.2.1,ここら辺だな。飛ぶぞ!!


 二人の旅人は飛び上がり、古い建物の屋根に、

着地すると、地面は大きく割れた。深い谷が、

さっき歩いていた付近だ!レイヴァスは、


【こういうことだよ、雑魚が考えそうなことは。なぁ、ドレイク】


 レイヴァスはもう一人の旅人に話しかけた。頭を掻きむしって、ドレイクは、


【少し警戒し過ぎたかな?レイヴァス、久々にお前の勝ちだ!ほらよ!】


【いっただきー!次はどうする?】


【考える。レイヴァス、次はもらうぞ!】


 旅人たちは賭けをしていたようだ。どうやら、

この二人をただで帰そうとは思ってないらしい。

プライドをズタズタにされた騎士の仕業のようだ。


 向こうから無数の騎士たちのが…どうやらかなりの数だ。先頭の騎士は、どうやら格が違う。

かなりのおオーラを感じる。ドレイクは、


【ちょっと、厄介な相手のようだ。いくか?】


【ドレイク、それ以外の選択肢あるか?】


 二人は騎士の到着予想地点に飛び降り、

剣に手をかけ、立ちはだかった。先頭の騎士が、

近づき、二人は身構える。どうやらかなりの強さを感じ取ってるようだ。騎士は、


 【さきほどは、失礼した。どうも統制がとれてないようで、迷惑をかけた。すまなかったね】


 戦う意思はないらしい。さっきの騎士たちとは全然違う雰囲気だ。レイヴァスは、


【そんなことだけ、言いに来たのか?】


騎士は、


【いや、忠告にきた。この先の森は行かないほうがいい。モンスターの巣でね。無数のトラップを仕掛けてある。森ではなく、川を渡るといい。あと、食料を。少ないが受け取ってくれ】


レイヴァスは、


【ありがたい、もらうぞ。話せる騎士隊長だな】


ドレイクは、


【ありがたいが、何故こんな親切に?】


騎士隊長は、


【我々も町の人々を傷つける気はないんだ。統制が取れてないのは私の責任だ。もちろん問題を起こした騎士たちは追放する。だから、すまないが、動けるようにしてくれないか?】


ドレイクは、何かを唱え、


【もう動けるぞ。あいつらは、追放するんだな?】


騎士隊長は、


【ありがとう。約束する。では、武運を祈る】


そう言って立ち去った。レイヴァスは、


【話の解るやつだったな】


ドレイクは、


【まともにぶつかったら、解らなかったぞ。使う羽目になったかもな】


 二人は、森を避け、川の方向に。たくさんの食料を抱えながら。


【重いな。食料こんなに無くてもいいんじゃないか?なぁ、ドレイク少し置いていくか?】


【食料無くて大暴れしたのどこのどいつだ?】






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