【3000PV&4000PV達成感謝】番外編~君の病気~ カインside

 リリーは、昔から危なっかしくて、病弱で、誰よりも可愛かった。


 この”かわいい”と思う気持ちは、妹に対する感じだと思っていた。


 この気持ちに気がついたのは、君が病気にかかってからだった。


 伝染病。


 それがこの町にやって来た。


 ここは、平民たちの住む街の中でも都市に近い方だ。


 だから、さっきもお貴族様が来たし、商売もしやすい。


 伝染病の薬を買うにはかなりの高額が必要だ。


 さっき来たお貴族様の子供がぎりぎり手に入れられるか分からないくらいには高いし、手に入れるじたいが難しい。


 でも、それを絶対に手に入れて見せる。


 リリーが好きだから。


 毎日リリーに会いに行っていることは、お父さんもサラも知っている。


 この気持ちはもう二人は知っている。


 サラは、この町一番の美少女と呼ばれているから、俺がサラのこと好きだと思っている人も結構いた。


 友達にサラのこと好きな人は二、三人いる。


 でも、リリーはサラに負けないほどの美少女だし、サラにそっくりだけど外に出ないからライバルがいない。


 リリーは危なっかしいくらいにまっすぐで、正義感が強くて、可愛くて。


 俺はそんなリリーに惚れたんだ。


 好きなところなんて数えたらきりがないくらいにある。


 前にサラに話したときには、もう飽きたとまで言われた。


 だから、リリーの病気を俺が直して見せる。


 お金を稼げる立派な商人になって薬を俺が買う。


 リリーのために俺はがんばる。


 愛が重すぎともサラに言われたけど、俺は俺だから別にリリーに嫌われなければいい。


 今日手に入れたお貴族様との繋がりを使ったり、お金をとにかく稼いで、俺はリリー病気を直して見せる。


 リリーにかっこいいって思ってもらえるように頑張らないとな。


 いつか、リリーに“好き”と言ってもらえるように俺は頑張るよ。

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