第29話 クリス様に仕える前に。

 この前は、ルイスに誰に仕えるのかを聞き忘れた。


 あと、明日はヒロインと会う。


 セオの出会いイベントを奪うことになるが、そこでくっつくことになられても、悪いのでちょうどいい。


 俺は今、王宮に来ている。


 セオに、明日家に来てと言い、ヒロインと会わないようにする予定だ。


「ロイ、おはよう。」


「クリス!おはよう。」


「あのさ、ちょっと今話せる?」


「いいよ。どうしたの?」


「一昨日、セオと話した。」


「!」


 ゲームで、クリス様とセオは、不仲だ。


 そこが改善させられると、クリス様とセオのルー卜は、かなり安全になる。


 不仲だから、攻略されたみたいなところがあるからね。


「それでさ、ロイは妹と仲がいいだろう。仲良くなる方法を教えてほしい。」


「いいよ。じゃあ、こっちにも協力してほしいんだけど、いい?」


「何をするの?」


「難しくはないよ。───────────。」


「は?なんで?関係なくない?」


「レイナに幸せになってほしいから。」


「じゃあ、俺に仕えるってことか?」


「クリス様が学園に入学する際に仕えさせてください。」


「わかった。俺に二言はないよ。」


「ありがとうございます。」


「でも、プライベートみたいなときとか仕えるまでは、話し方を砕けていてほしい。」


「かしこまりました。」


「それで?決意はまだしていないけど、とりあえず、セオと仲よくなる方法教えて?」


「そうだね。一昨日は、何を話したの?」


「父上にうかがったことと、なんで婚約者と会わないのかを聞いたかな。答えてくれなかったし、不機嫌だったけど。」


 なるほど。


 嫌なとこばっかり話された感じかな。


 このままだと、ゲーム通りにセオはクリス様に当たるだろう。


 どうしようかな。


「じゃあ、────」

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