第10話 レイナside 突然変わったお兄さま

 お兄さまが頭を打ったあの日、お兄さまはレイナの部屋で人形遊びをしてくれた。


 お母さまが来てもいつもだったら言い返さないし、レイナも言い返さない。


 なのにあの日はつい言い返してしまった。


 お兄さまと遊びたい気持ちが勝っていた。


 そしたら、お兄さまも言い返して、たくさん人形遊びをすることができた。


 次の日からは前までサボっていた剣術も真剣にやって、剣術の先生にも褒められていた。


 カッコいいお兄さまを見たかったし、お兄さまが頑張っていたから、お勉強が終わったら、毎日お兄さまの剣術を応援していた。


 あの日からお兄さまはカッコよくなった。


 今のレイナが大好きな人を聞かれたら、迷わずお兄さまって答える。


 妃教育は大変だけど、お兄さまが毎日頑張っているから、私も頑張る。


 そう思えるようになった。

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