第3話 かみさま、ひどくないですか。


 記憶を整理すると、悪役令嬢の兄、ロイの幼少期の設定と同じだった。


 幼いころに父が亡くなり、母は再婚。


 再婚してできた娘のレイナを跡取りにしようとするが、ロイの存在と男でないため後を継げない。


 だが、ロイに後を継がせたくない母は、ロイとレイナにあたり、毒を仕込まれたこともあった。


 幼いロイは母親が構ってくれないのは、レイナがいるせいだと思い、孤独に感じて、魔術と武術を極め、居場所を作ろうとした。


 レイナは、母には当たられ、ロイには無視され、家族を知らずにいきる。


 そんなとき、4才のレイナは第一王子との結婚が決まり、母が喜び、ロイと仲良くなれた。


 レイナは王子に好かれればいいのだと思い、王子にしつこく付きまとい、嫌われてしまう。


 本物の愛情を知らないレイナは王子のヒロインへの恋心を知り、強く当たってしまう。


 しかも、どのルートでも悪役令嬢が出てくるように、初恋は第二王子など、たくさんのキャラに恋する設定になっている。


 大体のルートでは、公爵家ごと潰され、家族もろもろ平民になる。


 ときどき、バッドエンドでは、王子と結婚や別名友情エンドになることもある。


 ハッピーエンドでもヒロインの従者や一人で国外追放などもある。


 そういうわけで、いろいろと大変な人に転生、いや、大変な人の兄に転生してしまった。


 俺は、どうすればいいのだろう。

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