第7話 信頼

 「あ!も、申し訳ございません!」私は慌てて治癒魔法を使った。亡くなってはいない筈だが、気絶はしてしまった。すると、背後から声をかけられた。「やっぱり、君、優しいんだね。治癒魔法をわざわざ使うなんて。それと、僕もアイツみたいに君に殴られてみたかったよ。」「なんですか。」私は無意識に彼を睨めつけていた。この場には居なかった筈の、見覚えのあるを。「うん、怒った顔もなかなか唆るねぇ、リトルレディ、否、綺麗なお嬢さん。僕は初めて出逢った時から君のことは気に入っていたが君は実に美しい。妖精のようだ。」彼は呼吸いきをする様に少々上から目線且つ卑猥な発言をする。「静かにして下さる?その様な発言をする場所を考えて頂戴。」「そうかい、分かったよ。仕方ないね。」

「おい、ジャックが生き返ったぞ!!」私とが(私の方が一方的にだが)冷戦をしていると、私が殴り殺し掛けた男の仲間の叫ぶ声が聞こえてきた。「俺、なんかさっき天使を見た気がすんだよ。あ!そうか、あのシュヴァルツなんとか、みたいな公爵令嬢サマの美人に似てた様な・・・」「おいおい、ソレ、アレだぞ。お前をぶん殴ったヤツだぞ?」「否、そうだがよ、きっと殴られても死ななかった俺に惚れちまって治癒のナントカを開化させたのさ。」否、今何か嫌な予感がしたのだが・・・「全く、自意識過剰な野郎だね。」「そこに関しては貴方もそうだと思いますわ。」

「おい!シュヴァルツアーダお嬢サン!俺に惚れちまったんだろ!いいぜ、俺の嫁にしてやるよ!」そんな声が聞こえてきた。然も地味に近付いてきている。すると、横にいた筈のがいつの間にか消えていた。「なーに勘違いしているんだか。口説き方が君はとっても下手な様だね。こうするんだよ。」と言い、彼はジャックと云う名の盗賊の耳元で何かを囁いた。「分かったかい?君がお嬢さんに手を出すなんて100年あっても早過ぎるんだよ?出直して来るといいさ。」ジャックが茫然として居る間に、私達はその場を去った。「じゃあね、お嬢さん。」「助けてくれて有難う存じます。それでは。」「・・・あ!ちょっと・・・‼︎・・・次が楽しみだな。」

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