大文字伝子が行く156

クライングフリーマン

武蔵関連事件(前編)

 ======== この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 大文字伝子・・・主人公。翻訳家。DDリーダー。EITOではアンバサダーまたは行動隊長と呼ばれている。。

 大文字学・・・伝子の、大学翻訳部の3年後輩。伝子の婿養子。小説家。EITOのアナザー・インテリジェンスと呼ばれている。

 一ノ瀬(橘)なぎさ一等陸佐・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「一佐」または副隊長と呼ばれている。

 久保田(渡辺)あつこ警視・・・ある事件をきっかけにEITOに参加。伝子を「おねえさま」と呼んでいる。皆には「警視」と呼ばれている。

 斉藤理事官・・・EITO司令官。EITO創設者。

 夏目警視正・・・EITO副司令官。夏目リサーチを経営している。EITO副司令官。

 須藤桃子医官・・・陸自からのEITO出向。基本的に診療室勤務。

 増田はるか3等海尉・・・海自からのEITO出向。

 金森和子二尉・・・空自からのEITO出向。

 馬場力(ちから)3等空佐・・・空自からのEITO出向。

 馬越友理奈二曹・・・空自からのEITO出向。

 大町恵津子一曹・・・陸自からのEITO出向。

 田坂ちえみ一曹・・・陸自からのEITO出向。

 浜田なお三曹・・・空自からのEITO出向。

 新町あかり巡査・・・みちるの後輩。丸髷署からの出向。

 結城たまき警部・・・警視庁捜査一課からの出向。

 安藤詩三曹・・・海自からのEITO出向。

 日向さやか(ひなたさやか)一佐・・空自からのEITO出向。

 飯星満里奈・・・元陸自看護官。EITOに就職。

 稲森花純一曹・・・海自からのEITO出向。

 愛川静音(しずね)・・・ある事件で、伝子に炎の中から救われる。EITOに就職。

 工藤由香・・・元白バイ隊隊長。警視庁からEITO出向。

 江南(えなみ)美由紀警部補・・・元警視庁警察犬チーム班長。EITOに就職。

 伊知地満子二曹・・空自からのEITO出向。ブーメランが得意。

 葉月玲奈二曹・・・海自からのEITO出向。

 越後網子二曹・・・陸自からのEITO出向。

 小坂雅巡査・・・元高速エリア署勤務。警視庁から出向。

 下條梅子巡査・・・元高島署勤務。警視庁から出向。

 高木貢一曹・・・陸自からのEITO出向。剣道が得意。

 筒井隆昭・・・伝子の大学時代の同級生。警視庁からEITO出向の警部。伝子の同級生。

 青山たかし元警部補・・・以前は丸髷署生活安全課勤務だったが、退職。EITOに再就職した。

 草薙あきら・・・警視庁からのEITO出向。特別事務官。


 ==EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す==

 ==エマージェンシーガールズとは、女性だけのEITO本部の精鋭部隊である。==


 午前9時。EITO本部。会議室。

 オクトパスの挑戦状に「「3人の武蔵と遊ぼう!」とあることで、会議が行われていた。

「芸能人か有名人だろうか?それならオクトパスが時間をかけて準備する作戦は大がかりではないかも知れないが・・・。」と、理事官は首を捻った。

「私は、引っかけで、実は場所を示している気がする。」と夏目警視正が言った。

「武蔵小山、武蔵小金井、武蔵村山、武蔵小杉とかですか?」と高木が言うと、「いや、武蔵小杉って神奈川県ですよ。」と青山が言った。

「東京都内とは限らないかもな。」と筒井が言った。

「草薙。他にどこがある?」と理事官は草薙に尋ねた。

「武蔵新田(むさしにった)、武蔵中原、武蔵五日市という地域名があります。駅名だと・・・。」

 言い淀んだ草薙に、高遠がディスプレイ上から助け船を出した。

「21もあるようですね。神奈川県とか、埼玉県とか。そもそも、

 武蔵国(むさしのくに、旧字体: 武藏國)は、かつて日本の地方行政区分であった令制国の一つです。東山道から東海道に属し、現在の東京都と埼玉県及び神奈川県の川崎市、横浜市にあたるそうです。」

「じゃ、駅名は却下だな。何か言いたそうだな、金森。公私混同でなければ、発言しろ。」と、伝子は言った。

「公私混同だなんて・・・隊長、いつからパワハラするようになったんですか?」「そうむくれるな。意見を言え。」

「はい。過去のダークレインボーは、引っかけがあったこともあります。最近のオクトパスは『正々堂々』をアピールしているけど、本心は分かりません。人名、地域名でカバーした方がいいと思います。」

「尤もだ。私もそう思う。地域名は、タコ野郎だから8つに絞りたいところだが、7つでも充分だろう。学。そんなに分散しているのか?」と、伝子は画面に向かって言った。

「じゃ、武蔵小山。東京都品川区です。東急目黒線武蔵小山駅界隈ですね。武蔵小金井。東京都小金井市。中央線武蔵小金井駅界隈ですね。武蔵村山。東京都武蔵村山市。武蔵村山駅とか武蔵村山市駅はありません。珍しいですね。最寄り駅は4つあるけど、地域名の付く駅名は見当たりませんでした。次に武蔵小杉。神奈川県川崎市です。武蔵小杉駅界隈ですね。武蔵新田(むさしにった)。しんでんじゃないんですね。東京都大田区。武蔵新田駅界隈ですね。武蔵中原。神奈川県川崎市です。武蔵中原駅界隈ですね。そして、武蔵五日市。東京都あきるの市。JR武蔵五日市駅界隈ですね。」

「うーむ。」伝子は唸った。

「高遠さん、調査済みなら先に言って下さいよ。」と草薙が言うと、「ウチの嫁が出掛けに命令してね。婿養子としては逆らえないから必死で調べましたよ。」と高遠が応え、皆が笑った。

「草薙さん、武蔵の付く名前の有名人は?」と伝子は尋ねた。

「ストリートファイターからのし上がった、格闘技チャンピオンの、『れいわ武蔵』、大手術を乗り越え、葡萄館で復活ライブを行う予定の歌手『庄司武蔵(たけぞう)』、今期漫才チャンピオンの『弁慶・武蔵(むさし)』。こんなところですね。スケジュールは、ライブが午後5時から、漫才師が午後4時からテレビ1のマジックショーに出演、格闘技チャンピオンは特に予定なし。」

「よし、げんかつぎで行くか。有名人3組と、武蔵ゆかりの地域5カ所。これは他県を省け。併せて8本だ。」

 伝子は、ホワイトボードを睨んだ。速記していた、あつこが、赤いマーカーで東京都内5カ所に丸印を付けた。詰まり、品川区の武蔵小山、小金井市の武蔵小金井、武蔵村山市の武蔵武蔵村山、大田区の武蔵新田、あきるの市の武蔵五日市だ。

「ライブとマジックショーは利根川さんに頼もう。夏目さん、5カ所の住民避難をお願いします。なぎさ、人員配置だ。」

 EITO本部。廊下。

 伝子は、スマホで、連絡電話をかけた。

 電話をかけた相手3人は、快く引き受けてくれた。

 午前11時。会議室。

 なぎさは、担当図を前に、皆に作戦を言い渡した。

 ―完―

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

大文字伝子が行く156 クライングフリーマン @dansan01

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ