アナタヲマモルセイ

@rappulu1412

第0話 プロローグ

俺の名前は石川拓真。

顔以外がアザだらけの高校生。

つまり暴力を受けてるって事。

学校ではもちろんイジメられていて、

家では両親に殴られ、蹴られ、引っ張られ。


学校でイジメっ子達に刃向かおうものなら、

「お前何調子乗ってるの?」と言われ暴力


家で両親に刃向かおうものなら、

「誰のおかげで生きていけてると思ってるんだ?」と言われ暴力


でも人間は不思議なもので、慣れて諦めるという事ができる。

暴力を受けても、痛みを感じなくなった。

暴力を受けても、仕方ないと思えるようになった。

その代償なのか、辛い時、


笑うようになった。


高校生になってからアルバイトをするようになった。

飲食店のホール、食器洗いのバイトだ。

なぜ飲食店にしたかと言うと…

家に帰ってもご飯なんてないから。

家以外でご飯を食べれる場所を作る為。

時々、自分と同じ学校の制服を着ている奴らがご飯を食べにくる。

その度に俺は、自分自身を哀れんだ。


アルバイトを始めてから1ヶ月が経った頃、

母親が話しかけてきた。


「最近、帰りが遅いのはどうして?」


俺は正直に答えた。


「アルバイトを始めた。」


殴られると思った。


バイトをするにあたって、

親のサインと印鑑が必要だった。

それを自分で用意してバイトの申請をしていた。

やってしまった。

完全に自分のせいだ。

そう思いながら母親の顔を見ると、

笑みを浮かべていた。

その笑みは、俺には


悪魔に見えた。


その日もバイトを終え、

賄いを食べて、家に着くと

父親が俺に絶望の種をまいた。


「給料は俺が預かる。」


俺は父親の言葉に返事ができなかった。


「何か文句があるのか?お前は俺のおかげで生きていられるんだぞ。誰がお前の学費を払ってると思う?生活費を払っていると思う?」


そう言って俺を殴った。


学校ではイジメられる。

家では暴力を受ける。


家出しても家に返される。

警察にも頼れない。

先生にも頼れない。


17歳になり半年ほどが過ぎた頃

ようやく悟った。


この世界に俺の居場所は無い。


俺は誰にも見つからない場所で


この世界から消えた。

















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