妖怪退治だけでは稼げなくなったので、配信者を始めた件〜アレ？モンスターって妖怪よりも弱くない？〜

ダンジョン攻略完了！！

：あらやだ可愛い

：まさかのシバ犬！？でも可愛いからよし！！

：バーゲストの正体がこんなに可愛いシバワンコだったなんて..........

：てか、何でこの子がモンスター化したんだろう？

：それな

ワンちゃんの可愛さに対し、悶絶するコメントで溢れかえる中、当のワンちゃんはというと...........

シバ犬「ワフ！！ワフ！！」

遊んで！！と言わんばかりに、私に甘えていた。

紅葉「アハハハ！！くすぐったいよぉ〜」

.......この子を助けることが出来てよかった。

そう思いながら、私は、甘えん坊なワンちゃんをモフモフしていた。

すると..........コメント欄にあるコメントが投稿された。

¥１００００

紅葉ちゃんの配信が観れて楽しかったから、そのお礼！！

紅葉「え..........？」

そのコメントは、いわゆるスパチャと呼ばれるもので...............そのコメントが来たのを皮切りに

¥５００００

紅葉ちゃん.......俺は一生、アンタを推すぜ

¥２００００

尊いワンちゃんの命を救ってくれて.....ありがとう

¥５００００　Dr.ジョージ

ひょっとしたら、この配信は世界を変えるかもしれませんねぇ..........

どういうわけか、コメント欄はスパチャで溢れかえっていた。

紅葉「えぇ！？何これ！？」

シバ犬「ワン？」

¥１００００

可愛いだけじゃなくて強い紅葉ちゃんにスパチャ！！

¥３００００

あ！！ずるいぞ！！俺も！！

¥１００００

ワイもワイも〜

紅葉「は、はわわわ.......」

どうしよう.....一気に大金が入ってきちゃった！？

これが..........スパチャってやつなのね。

止まないスパチャにビビっていると......突然、ダンジョンが揺れ始めた..........かと思いきや、突然、眩しい光に包まれるのだった。

紅葉「な、何！？」

そして、次に目が覚めると..........私は、あのドーム状の遊具の前にいた。

紅葉「戻って.....きたってこと？」

Dr.ジョージ：多分、バーゲストがいなくなったことによって、特殊ダンジョンが崩壊したんだと思う

紅葉「ほ、崩壊！？」

Dr.ジョージ：特殊ダンジョンは、核となるモンスターが倒されたら、自然と崩壊するシステムらしいんだよね

紅葉「あ！！だからここに転移したってわけね」

なるほど、それなら納得だわ。

紅葉「てことは..........特殊ダンジョンを攻略したってことかな？」

Dr.ジョージ：YES！！

ま、ま、ま..........

紅葉「マジか！！」

：おめでとう！！紅葉ちゃん！！

：まさか初配信で特殊ダンジョンを攻略するとは...........

：こんなにワクワクする配信は初めて観た！！ありがとう！！紅葉ちゃん！！

：ヤバい、寿命伸びたかも

：久々に無双系のＤチューバーが降臨したぞぉぉぉぉぉぉ！！

：こんなＤチューバーがいてたまるか

：迷惑系Ｄチューバーを見るよりかは、紅葉ちゃんを見る方が好き

：それな

紅葉「み、みんな..........」

配信を始めてよかったな。

改めて、そう思う私なのだった。

シバ犬「ワンワン！！」

紅葉「あ、そうだ。あなたの名前を決めないとね」

：ワンちゃんの名前かぁ..........

：こんなに可愛いシバワンコだから、どの名前を付けても可愛いはず！！

：どんな名前かな？どんな名前かな？

紅葉「うーん..........悩むなぁ」

.........この子が、何でモンスター化したのかは分からない。

だけど...........モンスター化した苦しみよりも、楽しい思い出でいっぱいにしたい。

私は、ワンちゃんを見ながら、そう覚悟を決めるのだった。

紅葉「..........大福、あなたの名前は大福よ」

大福「ワン！！」

大福。

それがこの子の新しい名前。

これからは、ずっと一緒だよ。

：大福..........うん、いい名前だ

：あのワンちゃんにピッタリな名前だね！！

：大福ちゃんに大きな福あれ............

：というか、紅葉ちゃんネーミングセンス良すぎだろ！！

：幸せになれよ！！大福ちゃん！！

大福「ワン！！ワン！！」

自身に付けられた、新しい名前が気に入ったのか、嬉しそうに鳴く大福。

紅葉「さてと、新しい家族も増えたことだし...........そろそろ、配信を閉じようと思います！！」

大福「ワフ？」

：まさか、初配信でここまで濃い内容になるとは...........

：特殊ダンジョンに潜ったかと思えば、モンスター化したワンちゃんを救出するという感動展開が待ち構えているなんて、あの時は思いもしなかったな

：むしろ久々にヤバめのＤチューバーを観たような.......？

：薙刀一本で特殊ダンジョンに向かう時点でそもそもヤベェからな

：紅葉ちゃん！！初配信楽しかったよ！！

：次の配信は何かな〜

紅葉「それじゃあ、バイバイ〜」

大福「ワン！！」

そう言うと、配信を切った私は、大福と共に、帰路に着くのだった。

紅葉「そういや、うちのアパートってペットOKだったっけ？」

大福「ワフ？」

ま、いっか。