第5話 女神、砲弾として敵の地に投げ込まれる
勇者に呼ばれた私は、いつでも勇者の近くに出現できる。
でも、それで良い目に遭った事は一度もない。
何度目かの女神コールを受けた私は、気が乗らないけれど、女神としての役目を果たすために、勇者の元を訪れた。
「ちょっとじっとしてろ」
「えっ」
そして、勇者に抱き上げられる。
これでロマンチックな時間になって、「今までのは好意の裏返しだったんだ」とかだったらまだ許せたのに。そうははならなかった。
勇者は私をお姫様抱っこしたかと思いきや、勇者ステータスの筋力を無駄に発揮して、思いっきり敵の陣地になげこんだ。
「いやぁぁぁ~~っ!」
悲鳴がこだまして、私が墜落。
多数の敵に囲まれた私は、袋叩きだ。
剣で切りつけられても、鈍器で殴られても死なないのは割と地獄。
感覚がないと、生活するうえでこまるから痛みもある程度感じる。
だから、ちょっとした拷問だ。
ほうほうのていで逃げ出したときには、ぼろ雑巾みたいなありさまになっていた。
「勇者っ、覚えてなさいよ。もうあんたの手助けなんてしないんだからっ!」
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