ヘル

赤かぶ定食

第1話

もうすぐ夏休みだというのに

私はまだクラスメイトの誰とも

打ち解けられていなかった。

高校生になって初めての夏

クラスのみんなは楽しそうに今日行われる

お祭りの話をしてる。

私は1人でいつものように本を読んでる

ふりをしてる。

蝉の声教室の騒がしさに共鳴するように

なり響く、みんなの声も蝉の声になって

くれたらいいのに。

そうすればこんな惨めな気持ちにも

ならなくてすんだのに。

鬱々した気持ちで虚空を見つめて

本閉じた瞬間

トントンと誰かが私の肩をたたいた




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