第8話 道具が道具を生むという珍奇な現象 おかわり

 地獄の沙汰も金次第

 三途の川の渡し賃が六文 (約300円)


 いやぁ~、怖いですねぇ。

 あの世にお金なんか持ってイケないにも関わらず…にですよ。

 はてさてお金 (=貨幣) は、何処まで我々の人生につきまとうのでしょうかね?


 閑話休題

 「道具が道具を生むという珍奇な現象」の後編へと進みましょうか。

 多くの方がそうであるように、通帳の貯金額が「貯まる・増える」というのは何とも気持ちの良いものです。

 そのために頑張って働き、節制した生活を送る方もいらっしゃいます。

 ああ、私には、そんな生活向きませんけどね。


 さて。前回もお話した通り、「貯金する、株に投資する、国債を購入する」という、いわゆる金融機関にお金を預ける行為をしますと、預け期間や預けた金額に応じて、「利子や配当」という物がついてきます。

 まぁ、副次的とは言え、働かなくても収益があがる (これを「不労所得」といいます)のですから、口角も上がり、頬は緩むというものです。


 ちなみに、我々物書きも、作品を作り、間違って商品化されれば、印税なる『不労所得』を手に出来るのですが…。


 しかし、注目すべきは金融機関にお金を預けることさえできれば、子供からお年寄りまで、男性から女性、少数マイノリティーな性別の方も含め、誰もが「利子や配当」という恩恵に与れるわけです。

 しかも、出資した額に応じて貰えるのです。


 これは、なかなか凄い事ですよね。

 労力を惜しまずとも、小金が確保できるなんて、なんて素晴らしいことでしょう。

 もっとも、貸付先が倒産したらオジャンなんですけどね。


 んで、個人でやっても出来高等はタカが知れていますので、銀行の投資信託とか年金機構といった、団体で纏まった資金運用をしていくわけです。


 さてさて、景気が右肩上がりの状況であれば、金融機関や企業の業績は向上し、結果、資産の向上へとつながり、配当などに跳ね返ってきます。

 配当が入ってくれば小金もたまり、預金者もホクホク顔、まさに三方良しといったところでしょうか。


 では、現実はというと…。

 ええ、株価は上昇しはヨロシイようです。

 もっとも、5年前との株価の上昇トレンドと比較すると現状は鈍化傾向にあると見受けられます。


 まぁ、そうですよね。

 我々庶民の生活向きは一向に改善する気配がありません。

 改善するわけがありません!

 収入は改善せず、出費ばかりが一方的に膨らんでいく。

 これでは、金融機関に回せるお金なんて出来るはずはありません。


 裕福な人は、更に豊かに!

  貧乏人は、益々貧乏に!

 という格差社会の黄金率がここに誕生してしまうわけですね。


 まぁ、この偏りが有るからこそ拝金主義は浸透を深め、人々はさらにさらにお金に執着するようになるわけです。


 そして、出だしに掲示した2つの文章…。

 本当に人生嫌になっちゃいそうです。

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