何も考えられなくなる夏

思考は途絶え部屋の中で息をひそめている


ごらん、外の世界を


汗がこめかみから頬へ

目にしみて思わず呪詛じゅそを吐く



湿気は壁となり

肌からの蒸発を遮断している


べたつく不快さと息苦しさと削がれる体力と

体は燃えてだんだん疲弊して行く


ごらん、外の世界を


人は魚のようにハクハクと

清らな空気を求めて息を吸う


景色をゆらす陽光は過酷な熱をまき散らしている

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