依頼

鈴蘭諸島

依頼

ある町にどんな状況からでも軽い罪に出来る神業を持った弁護士がいた。


そんな弁護士にある依頼が届いた。


『ボブと言う男の罪を軽くして欲しい、このままでは死刑は免れない。懲役10年程に出来ないか』と。


弁護士はそのボブと言う男は一体何をしたんだと聞くとどうやらボブは謝って人を轢いてしまったようだ。


後日その依頼主と町の路地裏で会った。


依頼主の男が言うにはボブはある財閥の息子で罪を受けるのはいいが命だけはと言うことだった。


彼は無事懲役刑に出来たら報酬は弾むと言った。


弁護士は快く引き受けた。


そして裁判当日になりボブの裁判が始まった。


裁判には裁判員制度が用いられており弁護士は最初に大きくボブについてカバーする必要があった。


弁護士は軽快な口調でいつも通りの神業を披露した。


そして一通りカバーしたあと裁判員の審判が始まった。


裁判員は一般人のためこちら側から何かすることは出来ない。


それを知っていた弁護士は事前に裁判員を買収していた。


その買収した裁判員は妻に逃げられ金も無くさらに口が固いことが有名だった。


弁護士からすればこれ以上の逸材は居ないとすぐに変装してその裁判員とコンタクトを取った。


弁護士は彼にボブを懲役刑にしてくれれば報酬を弾むと言った。


裁判員の男は悩むこともなくすんなり受けてくれた。


そうしてその裁判員の審判が始まった。


しばらくしたあと裁判員達の判決は依頼通り懲役10年になった。


裁判が終わった後弁護士は変装して裁判員の男にコンタクトを取り金を渡して、礼をした。


そして弁護士が去ろうとしたときに裁判員の男は言った。


「いや~大変でしたよ、皆が無罪でもいいんじゃないかって言うもんだから僕は心を鬼にして懲役10年にしたんですよ」


裁判員の男はそう言うと依頼を達成した喜びかニコニコしながら帰っていった。



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依頼 鈴蘭諸島 @suzuransyoto

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