第2話 松木将吾

 俺は大学生になった。


今まで出来なかった恋は、ひとまず置いといて、恋うんぬんではなく、とりあえず、経験をしなくちゃ!と、突然焦りはじめた。

経験……そう、女の子と、エッチなことしたことが1度もない。

いや、ないこともないけど、でも、ないってことかな。

つまり、挿入したことがない。

高校生の時に、未遂な感じはあるんだけど……


 

 高2の夏休みに、部活の合宿があった。

高原のキャンプ場みたいなところに宿泊して、近くの体育館で練習をする。

俺は、バトミントン部。

バトミントン部は、男女一緒の活動だ。

合宿も一緒だった。

飲み物が足りなくなりそうだから、買い出しに行ってきてと言われた。

俺は、前日に、足クビをひねって湿布をしていたから、今日の練習は見学だった。

だから、まぁ俺が行くのが妥当な線かと歩き出した。

そしたら、うしろからバタバタと走ってくる足音が聞こえた。


「ね~!ちょっと!松木くん?

おサイフ持ってるの~~?」


あっ……


なにやってんだかな?

手ぶらで来ちゃった……


「も~~!やっぱり持ってないんじゃん!!」


あははっ!

と、明るい笑い声を響かせた。


この子は、マネージャーで俺と同じ2年生の高橋〇〇

あれ、高橋って、なんて名前かな?

なんか、みんな名字で高橋って呼んでいるから、あんまり名前を気にしたことなかった。


高橋は、一緒に行くよと言った。







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