26限目
「事情を話します。実は私は政略結婚を両親から決められてしまいそうなのです」
「なんだと、それでそれを防ぐためにアーリャを利用するという事か!?」
わたしが何か言う前にまーくんが憤慨してくれる。わたしのために怒ってくれるまーくん格好いい。
「話には続きがあります。もちろん誰でもいいわけではありません。本来なら家の格も伯爵以上のもので無いと釣り合いが取れないですが、それでも私はアーリャ・アルダーク……貴女を好ましく思っている。貴女が良い」
「「まぁまぁ!」」
何故か喜ぶ二人。わたしは自分のことなのにあまりにも非現実感にいまいち反応が遅い。
「卒業までと言うのは?」
「もちろん卒業までと言うのは、その期間婚約を維持出来れば相手の年齢的にも諦めざるを得ないでしょう」
「それならば家の格が合うのなら誰でも良いのでは無いのか?」
「そこは打算もあります。あわよくば、アーリャ・アルダーク、貴女と仲が進展してそのまま婚約から結婚になればと思っています」
「「まぁ、素敵!!」」
ちょっと、ふたりとも少しだけお口チャックしてくれないかな?
「しかし、その場合は学院にいる間にアーリャは他の相手と恋愛をすることが出来ないと言うことになるぞ」
「その場合は相手の男に頭を下げ卒業まで待ってもらいます。卒業後に婚約を解消して私は身を引きます」
「そこまで……そこまでアーリャのことを……」
「はい、想っています……どうかこの想いを受けてはくれないだろうか?」
ルビィさんはこちらに向き直るとキリッと凜々しい顔を向けてくる。告白されるシチュエーションなのに何故かわたしの心はときめかない……とうぜん理由は分かっているんだけどね。
「ルビィさん……その気持ちは女性としてはとても嬉しいものなのかもしれません。ですがわたしには昔から心に決めた相手がいます。申し訳ございませんがその話し、お受けすることは出来ません」
「形だけでも……駄目でしょうか?」
「はい、形だけとは言え、その相手に別の男性と約束を交わす姿を見せたくありません」
「「(まぁ)」」
わたしはハッキリとお断りをした。ルビィさんの気持ちがどれ程大きかろうと答えは決まっている。伊達に前世から片思いをしていませんから!
「分かりました……貴女の心を手に入れることは難しいのですね」
「はい、申し訳ございません……ですがルビィさんのような真っ直ぐな方なら必ず素敵な相手が見つかると思います」
「はい、もう正攻法は諦めます……それではこのルビィ・テンカーは貴女、アーリャ・アルダークに決闘を申し込みます!」
「はい!?」
「はっ?」
「「どういうことです!?」」
……急展開過ぎて全員が困惑の声をあげた。
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