ネクロマンサー(笑)と馬鹿にされた召喚士、竜王と契約し人気配信者になる~ドラゴン幼女は最強です~
ニア・アルミナート
序章 炎竜王と配信
ダンジョン変異
どうしてこんな事になったんだ。目のまえにはダンジョンの最下層にも関わらず爆睡する赤髪の幼女の姿がある。
どうしてこんな所で生き残ることができたのか、俺は先ほどまでの記憶を呼び覚ます。
◆◆◆
ネクロマンサー。別名死霊術士。特定種族(アンデット族)の魔物を操りダンジョンを攻略する一つの職業。有名な所で言えば、
俺はネクロマンサーではないにも関わらず、周囲の探索者からネクロマンサー(笑)と呼ばれている。
その理由は簡単で、俺が召喚士という職業を持っている人間としては不完全だからだ。
数年前にダンジョンができたこの世界では、自分の才能のある職業の中から一つを選び、その職業の能力を扱うことができる。
俺は、召喚士しか選ぶことができず、こうして召喚士として探索者稼業を行っている。
召喚士という職業は、魔物と契約し、その魔物と共に戦うことができるものだ。
しかし、俺は召喚士として不完全で、なぜか今までスケルトンとしか契約できていない。
スケルトンが132体。それが俺の契約している魔物だ。
数で戦えばいいとは思うかもしれない。しかし、召喚士は一度に10体までしか契約した魔物を召喚できないのだ。職業レベルが上がれば数も増えるが、今のままでは絶望的。
つまり、Fクラスの魔物10体でしか戦うことができない。
これが俺、
召喚士という職業はまだ世界に数が少なく、貴重な職業であるから、俺も強くなれると思ったんだが、それが間違いだったらしい。
ここから別の職業になんて無理だしな。高卒で1年間探索者をして特に何も成し遂げることができなかった男なんてどの企業も採用しようとは思わないだろう。
ここからどうしたものか。それが最近の俺の悩みだ。
まぁどの道毎日雑魚魔物を狩り続けないと生活できないからしばらくは魔物を狩り続けるほかにないけどな。
俺は自宅の最寄りのダンジョンである、Fクラスダンジョンの中で10体のスケルトンを召喚する。
「11~20号、今日はよろしくな。今日のミッションは11~15号のチーム、16~20号のチームに分かれて魔物狩りだ。1人でもダメージを負ったらすぐ俺の元に戻って来いよ!」
いつもこんな感じで指示を出して魔物を狩っている。結構効率はいいと思うがそれでも生活がギリギリなんだから、探索者ってのは成功しないと厳しい職業だ。
スケルトンたちは頷き、そしてダンジョンの中を駆け出して行った。
ちなみにだが、1~10号は昨日出勤したから今日は休みである。
さて、ここからは俺も頑張らないと。
「ステータスオープン」
俺の目の前に半透明のウィンドウが表示される。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
名前:夜見 宗次郎
レベル:14
職業:召喚士(Ⅰ)
ステータス:攻撃力 12
守備力 14
魔力 17
知力 23
精神力 10
速度 21
スキル:『契約』『契約:スケルトン(132)』
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ステータスを微量でも上昇させなければならない。俺の探索者としての才能がないところはレベルが上がった時のステータスの上昇量が低い所にもある。
ならば人以上にレベルを上昇させることが必要だ。
とりあえず今日も俺は1人で雑魚狩りだ。召喚士ってなんなんだマジで。まぁいろいろこっちの方がいいのはわかってるからな。
そんな事を考えていると、目の前にスケルトンが現れた。スケルトンの平均ステータスは10ほど。俺一人でも一体なら余裕で倒せる。こいつを倒した時たまに手に入る超小さな魔石が俺の収入の元だ。
俺の得物である剣を取り出し、自慢の速度を生かして接近する。ステータスの伸びが悪いとは言え、成人男性の二倍近い速度で動くことはできるからな。
スケルトンが反応できないうちに、頭蓋を打ち砕く。いつもこの作業の繰り返しだ。自分でもよく1年続けてるなと思ってる。
その時、何やらダンジョン内の空気が変わった気がした。
『全員戻れ!』
ダンジョン内をチーム分けして探索していたであろう11~20号を呼び戻し、すぐにダンジョンの入り口に向かう。
1年以上ダンジョンに潜っているが、こんな感覚は初めてだ。悪寒が止まらない。
ダンジョンの入り口に向かって走っていったその時、なぜだか急に曲がり角の直前で足が動かなくなった。
その直後、曲がり角から俺の目の前を斧が掠めた。足が止まってなかったらあの斧が直撃していた。
斧が飛んできた角から現れたのは牛の頭を持つ体高3mほどの巨人。
「……ミノタウロス」
Aクラスの魔物がどうしてこんなFクラスダンジョンの中に居るんだ……?
とりあえず俺の人生はこれで終了らしい。
……。
……それは嫌だ。まだ何も成し遂げてない。俺は幼馴染と一緒に探索者になるときに誓ったんだ。天辺で会おうって!
逃げろ、動け足!
俺は振り返って走り出す。まずはあいつを撒かないことには、このダンジョンから出られないからな。
「ブモオォオ!!!」
背後でミノタウロスが叫び声をあげる。完全にこっち狙いに来てるな。
とにかく曲がり角を曲がりまくれ。見失ってくれればそれでいいし、曲がれば曲がるほどスピードが高い奴はスピードを落とさなければならなくなる。
そうやって走り始めて4回目の曲がり角を曲がった時、足元からカチッと音がした。
「は!? トラッ……」
すべてを言い切る前に俺の体はトラップによってどこかに転送された。
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