第20話 ゴブリンジェネラル戦
ゴブリンジェネラルに相手が変わろうとやることは変わらない。先手でホブゴブリンをできるだけ減らす。
いや待て、まずはゴブリンジェネラルのステータスを確認しよう。
【ゴブリンジェネラル】
・Bクラス下位の魔物。
・ゴブリンを統率し、ステータスを上昇させる。
・弱点は雷、光。
・ステータス
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
種族:ゴブリンジェネラル
レベル:41
ステータス:攻撃力 3201
守備力 3609
魔力 1002
知力 1321
精神力 1456
速度 987
スキル:<統率>
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
なるほど。いけそうだな。
しかしさすがにホブゴブリンが多いな。この量を一撃で全滅といは行かない。あれの出番か……?
「多重展開『氷結結界』『炎々波動』」
今まで使ってきた【氷】【火力特化】【広範囲】の在庫が足りないので、【火】【波動】【広範囲】を使う。
地面を這う氷によって大多数のホブゴブリンが氷付く。タイミングよく跳躍したゴブリンライダーたちにはもちろん当たらなかった。
加えて範囲外にもまだホブゴブリンが残っている。言わずもがなゴブリンリーダー、ゴブリンジェネラルも。
追撃する炎の波動が範囲外のホブゴブリンを焼き尽くしていく。弾速が遅いため、ゴブリンライダーたちには回避されてしまった。
「折り込み済みだ」
飛び上がったゴブリンライダーのすぐ隣まで移動する。グラスウルフと騎乗しているホブゴブリンの頭を切り落とす。
続けてとびかかってくるゴブリンライダーたちには魔法を撃ちこむ。
「『風刃』」
ゴブリンライダーは風の刃に引き裂かれる。そのとき、ゴブリンジェネラルに動きがあった。
「グウォォォ!」
すると、眼に見えてゴブリンライダーたちの速度が上がった。これがスキル<統率>の効果か!
厄介なバフだな。
「っ!?」
殺気を感じたと思って横に飛ぶと今まで俺がいた場所にゴブリンリーダーの大剣が振り下ろされていた。
統率バフ、やばいかもしれない。この速度で移動してくるやつが3体いるのは少々まずい。
確実に今のゴブリンリーダーは葬る!
「『爆炎』!」
近距離で大爆発を起こす。威力にすべてを振ったような低射程の技。ゴブリンリーダーは一撃で消し炭になる。
「よし。後2体だ」
ゴブリンリーダーはな……。かなりの数残っているゴブリンライダー、それにゴブリンジェネラル。
「まだまだ終わりが見えないな。とりあえず雑魚は早めに潰そう」
ゴブリンライダー達にキープマジックから取り出した魔法陣を向ける。
「多重展開『暗黒波動』『暗黒槍』」
闇系の魔法がゴブリンライダー達を蹴散らす。今ので結構減ったな。
また飛んでくる!? 全力回避!
ダイナマイトが爆発したかのような音が俺が元居た場所で巻き起こる。
「回避したならやるだけだ! 『爆炎』!」
先ほどと同じようにゴブリンリーダーを吹き飛ばす。くっそ、バフのおかげで上層のゴブリンリーダーより圧倒的に強くなってやがる。
「最後のゴブリンリーダーが動き出すのは、待たない」
剣を構えていた最後のゴブリンリーダーは俺が近寄って近距離の魔法をあてる。
「『暗黒崩壊』」
【闇】【火力特化】【近距離】。現れた暗黒の球体がゴブリンリーダーを飲み込み、そしてそこにはもとから何もなかったかのように消滅する。
「ランダムブレス様々だな。後は雑魚とジェネラルだけだ」
仮にもCクラスのゴブリンライダーを雑魚呼ばわりしている。もう、一撃で倒せるしな。
「『雷撃』!」
【雷】【火力特化】【広範囲】。この魔法は面白いことに範囲内の敵にピンポイントで雷が飛んでいく。広範囲なのに、遠距離をたくさん放っているような命中の仕方をする。
そして、弾速が異常に早い。
「さて、ラスト。お前だぞ、ゴブリンジェネラル」
すでにゴブリンライダーは全滅した。弾速が早い『雷撃』は避けられなかったからな。
「グウォォォ!」
ゴブリンジェネラルが咆哮をして、今まで座っていた椅子からこちらへ跳躍する。
「重そうな体だな」
着地した瞬間の衝撃は軽い地震が起きたのかと錯覚するほどであった。
「早速やろうじゃないか。『雷槍』」
【雷】【魔法貫通】【遠距離】。この魔法、なぜかは知らないが、面白い特性として、持てる。
まぁ今回はこれを……投げる!
「グォォ!?」
俺が全力投擲した雷の槍はゴブリンジェネラルの肥えた腹に突き刺さる。魔法耐性として扱われる精神力のパラメータが低いからな、お前は。
そして追撃の……。
「『光臨の矢』」
【光】【波動】【遠距離】。多数生み出された光の矢がゴブリンジェネラルに飛来する。
体にたくさんの矢が刺さり、その体は膨らんだハリセンボンのようになった。
「これくらいじゃまぁやれないよな」
「グウォォォ!」
ゴブリンジェネラルは咆哮を上げ、ついに俺に攻撃をしようと動きだした。
「攻撃系のステータスが高すぎるから攻撃は受けたくないな」
ただ、あまりにも速度がお粗末なこいつの事だ。俺に攻撃が当たることはないはず。
「って危なっ!?」
次の瞬間には俺のすぐ目の前に拳が迫っていた。ただ、当たってないならここから躱せる!
飛び上がって拳を回避し、魔法陣を用意する。
「『爆炎』!」
『爆炎』の在庫はこれで尽きるが……。撃ってなんぼの魔法だろう!
「グォォ!?」
炎に焼かれるゴブリンジェネラルの苦悶の声が聞こえる。このままじゃやりきれないぞ?
「追加だ! 『暗黒崩壊』!」
こいつもここで在庫切れ。絶対ここで終わらせる。
俺が地面に着地するころには、ゴブリンジェネラルは一部が消滅し、一部が黒焦げになっている。
「勝った」
黒焦げの半身を剣で切り刻む。念には念を入れて。
「これで討伐だ……!」
この階層に残っているのは、俺だけになった。
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