第17話 そして冬休みは開ける
結論から言うと、自宅は無事だった。家族もすぐに避難が明けて戻ってきていたらしい。どうりでこの辺は街の明かりが消えていないと思った。
余談だが、帰ったらスマホを見ていなかったことをこれでもかと怒られた。連絡を取らないなら何のためにスマホを持ってるんだとか言われたしな。まぁその通りなんだけど。
それとその時スマホを見たところ、明日の探索者協会への報告はAクラスのお二人がしてくれるそうで、俺たちと霧島さんのパーティーは行かなくてよくなった。
もうすぐ市内の学校は明後日から新学期が始まるのでその準備のためにとAクラスのお二人が俺たちに気を使ってくれたらしい。結構な惨状の地域もあるのに学校やるのは少々意外ではあるが。
今は明後日に向けて自室で用意と今日の戦果の確認をしようと思っている。
まずは期待の戦果の確認だ。レベルがどれだけ上がったか。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
名前:瀬戸 奏多
レベル:25
ステータス:攻撃力 1006
守備力 984
魔力 992
知力 1001
精神力 981
速度 1021
スキル:<鑑定_Lv.4>
<成長補正>
<剣聖>
<ランダムブレス>
<キープマジック>
<??? (Lv.50) >
<??? (Lv.100) >
<??? (Lv.255) >
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
え、なんかステータス高くね? 成長補正のボーナスのおかげか。これだけのステータスがあってスキルすべてをしっかり活用できればBクラス認定試験に受かる可能性があるな。
後、やっぱり鑑定のレベルが上がっている。魔物のステータスが見えるようになったのはこれが原因かな。
そういえば何気にあのデッドスパイダースキル2つ持ちだったよな。スキルは1人1つといわれているが、どうやら魔物には当てはまらないようだ。
俺もしかして魔物だったり? ……なわけないか。
まぁステータスはこれ以外に特筆すべき点はないな。レベル50までは鑑定と基礎ステータスしか変わらないだろう。
レベル50が楽しみになってきたな。
さて、これで確認は終わりとして。後は明後日の為の準備だな。宿題を鞄に入れて、そして制服を用意しておく。……一応確認だが、着れるよな? 太ってはいないはずだが。
一応着てみた所、問題はなかった。
しかし、制服を着ると平凡だった前までの自分を思い出すな。見た目変わってないし。
でも中身の能力には大分変化が起きたし、大切な仲間もできた。この変化と仲間、大切にしていこうと思う。
制服を脱いで壁にかけ、そして今日のところは寝る。明日は一応、ダンジョンの南口を確認しに行ってみようと思う。しばらく入れなそうなら、別のダンジョンを活用したい所だ。
移動費の問題も解決したし、魔物も見てみたいから一度弘前ダンジョンに行くのも悪くないかもしれない。確かあそこは最高でもBクラスだったはずだから難易度的にもちょうどいいだろう。
さてじゃあ、お休み。
◆◆◆
翌日の午後3頃、南口の周りに来てみたが、酷い惨状だった。がれき等の撤去作業が行われているようで、ある程度の距離までしか近づくことはできなかったが、状況を見ることはできた。
直近の災害のような事件を上げるなら、日本国内だと、札幌・熊本同時襲撃事件か。あの時も今回の事件には及ばないにしても、かなりの建物に被害が出たはず。
もちろん建物だけが被害のすべてではないのでどちらが最悪だったとは言えないが、建物に関する被害の規模は間違いなく今回が一番だ。避難勧告が早めに出ていたおかげで犠牲者がいなくて本当によかった。
しかしこの感じだとしばらくの間は青森ダンジョンに入れそうにないな。それならばしばらくは弘前ダンジョンへ通うことにしよう。30万あれば、青森ダンジョンが復旧されるまでは通えるだろう。
状況も確認したし、帰るとしようか。
その時ポケットに入っていたスマホが振動するのを感じた。家族からかと思ってみてみると、どうやら彩佳からの連絡のようだった。
『宿題終わらない……助けて……』
とのことらしい。多少ポンコツ属性入ってるだろ、あの子。仕方ない、大切な仲間を助けるためだ。早く帰って少しくらいは問題を一緒に解いてあげよう。
◆◆◆
彩佳の宿題も何とか終わり、時刻はすでに午後9時を回っている。もう一度準備をして……。今日は早めに寝るとしようか。……今日も、か。
ベッドに入って少し考える。思えばこの冬休みの後半、やたら濃い日が続いたな。
元旦にスキルがあることに気が付いて、4日に探索者登録、そして8日から迷宮に潜って……。
9日にランダムブレスを手に入れて……。
あれ、剣聖手に入れたのいつだっけ? ……まぁいいか。
10日にはローブを手に入れて……。
11日はキープマジックを手に入れて。12日にパーティーを組んで、そのまま13日にスタンピード。今日、14日は特に何もないけど、やはり濃い。というか濃すぎ。
明日からは落ち着いた状況で強くなっていきたい。
デッドスパイダーを倒す名取さんの姿を思い出す。あそこまでとは言わないが、それに近しいまで……。
Sクラスまではいつか辿り着きたい。そのために明日から、ゆったりとではあるが、努力していこうと思う。
まずは、彩佳の隣に立つという目標を達成しよう。そして次はAクラス……。直接Sクラスなんて目標、達成できるはずがないから細かにな。
さぁ、明日は早いからな。そろそろちゃんと寝ないと。じゃあお休み。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます