最終章 人への旅立ち#22


・3168年6月27日、二度の魔女による子ども連れ去り事件が発生した。(被害者は二度共同じ者)

一度目の事件は前述に記載済。二件目にあたる本件の詳細は下記に記載する。

・6月26日午後九時頃、通称魔女の森と思われる近辺から青い炎の一群を目視にて確認。

近隣住民の避難完了が午後十一時頃。同時間帯に豪雨による青い炎の鎮静化を確認。

・しばらくの安全確保の為避難済の住民にはそのまま一晩過ごす様助言後、対策部へ戻る。

・恐らく翌日午前一時以降、被害者ミレ・リンガーテールが何者かの誘いを受け魔女の森へと向かったと思われる。

・6月27日午前五時頃、同室の避難していた住民により被害者が部屋にいない事を確認。前日の事件より日が経っていないこともあり、すぐに対策部と村の有志数名にて魔女の森へ捜索に向かう。

・その際魔女の森と村を阻む、通称「霧の壁」が無くなっている事を確認。さらに先へと進むと青い炎の出現場所と思われる一帯で焼け焦げた木々や屋敷跡を発見。

現時点では人やその他の痕跡等は見つけられなかったが、魔女達の住処であった可能性が考えられる。

また魔女の森では木々や周りの物質が異常なほど光を撥ね返す特質があるとの説があるが、火災の影響かあまりそのような兆候は見られなかった。

・しばらくして別書類にも記載している地図の地点C(仮に伝説の花に似た群生地)にて被害者の少女を発見。

発見地にて状態を確認したところ、意識を確認出来ず村へ連れ帰ったのち覚醒し無事を確認。以下本人による証言。

・カラスに誘われ、魔女である友人達に会いに行ったがどこかへ引っ越した。自分は特に何もされていない。

・他にも多々意味を汲み取れない表現がみられるが特筆はしない。数日は体調等様子を見たが特別異常は無いようだ。

・事件発生より五日後である7月2日、要請していた国からの騎士団による魔女の森の調査が行われるが、村に特別関わる事案はないとの報告のみ届く。

今後の対策として、村の巡回、対策部との定期会議を行うことを検討している。

・これ以上こちらからの特記事項は見あたらないのでこの一行を持って報告は終わりとする。

追記:今後の会議で出す昼食はサンドウィッチかパイ、具は何が良いか事前の多数決を求める。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る