第6話 謎の男

「はぁ…はぁ…」南条から逃げ惑うムシーナはひたすら狭い街路樹を駆け抜けていた、「バン!バン!」後ろから迫ってくる南条を狙い、所持していた銃を握り締めて走りながら無意味に弾を撃ち続けた、すると、「カチ、カチ、」等々銃の弾が切れてしまった、「止まれ!」ムシーナの後ろにいる南条は段々と近づいてきていた、攻撃を仕掛けるのを諦めたムシーナは銃を投げ捨て、害路地の右へと突然曲がった、その姿を見て南条は慌てて青葉に再び電話をかけた、「青葉、今どこにいる!?」 「今、ムシーナを追いかけてる最中です、もうすぐそこに合流します!」

叫びながら通話をして走り抜ける南条が、右に曲がろうとした次の瞬間、突然右の街路樹から刃物が南条の前へと飛んできた、「!」

咄嗟に避ける事が出来た南条はすぐに前を振り向いた、そこにはやはり刃物を持ったムシーナが立ち尽くし、こちらを睨んでいた、「Do not get in the way(邪魔をするな)」

そう呟くとムシーナは刃物を強く握り締めた、「Turn down(断る)」南条は笑みを浮かべそう応えた、するとムシーナは突然刃物を振りかかって南条を襲ってきた、しかし、素早い判断で刃物を避けて南条は刃物を握った腕を押さえつけた、そしてムシーナの顔に蹴りを一発食らわせてその場に倒れさせた、「グゥッフ!This spy guy、」ムシーナは身体を痛めそのまま地べたから動かなくなった、ムシーナを捕らえてから2分後、ようやく青葉が南条のもとへと合流してきた、「やりましたね南条さん、爆弾事件の発生時刻を過ぎましたよ」青葉は安心した表情で腕時計を覗いた、「と言うことは、過去を変えれたのか」南条はそう青葉に問いかけると、青葉はニコリと笑みを見せて頷いた、「だが、未だやることがある」南条はそう呟くと次の瞬間、銃をポケットから抜き取った。



「誰に指示された、すぐに口を割らなければこのままお前を撃ち殺す。」南条は銃をムシーナに向けながら圧をかけた、しかしムシーナが証言する言葉は知らないの一点張りだった、「カチ、」南条は銃のバーを卸した、「雇い主は誰だ!」南条と青葉はじっとムシーナの顔を睨み付けた、ムシーナは怯えながら知らないと言い続けている、「どうやって依頼が来たんだ?」 突然青葉が冷静な口調で問いかけてきた、「I got a request over the phone, I don't look directly at my face(電話で依頼が来たが、顔は直接見ていない)」ムシーナは怯えた口調で雇い主を知らないと二人に言い続けた、「Then show the incoming call history(なら、着信履歴を見せろ) 」 青葉はじっと睨み付けながら手を差し出した、「携帯で特定出来るのか?」南条は疑問を感じながら携帯を受け取ろうとする青葉に問いかけた、「畠山に調べさせれば、たとえ微かな回りので音さえ聞こえれば、すぐに特定できる筈だ」青葉はそう応えた、「早く携帯を渡せ、」 「No!please forgive me(頼む勘弁してくれ)」慌ててムシーナは立ち上がり携帯を渡さないようコートに隠し、警戒心を露にした、「こいつ、やるしかないだろ、」南条はそう呟いて銃を構えたのを青葉は慌てて静止しようとした、「未だ殺すな!こいつに聞きたいことが山程あるだ」 「俺は早く任務を終わらせたいんだ、どっちにしろ過去を変えなくてもこの男はいずれ死ぬ、なら今のうちに始末して携帯を奪う方が」 その時だ、「バーーーーーーーン!」でかい銃声が突然その場で鳴り響いた、「なんだ!?」二人は慌ててムシーナの方を振り向くと、ムシーナは右手に刃物を持って青葉を襲おうとした時に、何者かによって頭を撃ち抜かれていた、「Fuck you、」ムシーナは最後にそう呟き、頭から地面に倒れた、「ムシーナ!誰が撃った!」青葉は突然の出来事に動揺を隠しきれなかった、「待て青葉!むやみに動くな」南条は銃を構え、辺りにある建造物の上を見渡した、「何処かに殺し屋がいる!」青葉はすぐにポケットから武器を抜き出し壁に隠れた、そして南条は銃を構えながら殺し屋を探していると、太陽の日差しによって一人の人影が建造物の屋根から見えてきた、「!」南条は銃口をその人影に向けた、「一足遅かったみたいだな!」突然屋根から男が姿を見せた、下から見ると太陽の光によってハッキリと男の姿を見ることができない、「斎藤によろしくな、南条」すると次の瞬間、太陽の光がずれて男の姿が見えてきた、「またお前か、」ムシーナを撃ち殺した殺し屋の正体は、高橋を殺害したあの男だった、「何者なんだお前は!」南条は引き金を引く前に思わずそう問いかけた、「君の事は調べさせてもらったよ、娘のもとに帰りたい一心で任務を遂行していると、それと俺の事は斎藤に聞いた方が早いぞ、また君と戦う日を楽しみにしているよ」男はそうニヤリと笑い、屋根から去っていった、「南条さん、あの男知ってるんですか?」 南条はじっと黙り込んだまま上を睨み付けていた、「あいつは俺を殺そうとした、そして目の前で仲間を殺したんだ」。




時刻は夜の10時、南条と青葉はとあるビルで12時が過ぎるのをじっと待っていた、深夜の気温は凍えるような寒さに陥り、体力が徐々に消耗されていく、二人はなんとか時間を過ごしている、「見てみろ、ロシア警察だ」部屋の窓を眺める青葉はそう南条に言いかけた、「念のため銃は構えておこう」南条は椅子から立ち上がり机に置かれた銃を手に取った、「なぁ青葉、モスクワでの爆弾事件を防げたと言うことは任務は成功したということなのか?」 「まぁそうだろう、斎藤には今日の事を記録したファイルを転送してある、だが黒幕が誰かまだ発見していないのは失敗点だった」青葉は疲れた表情を見せながら話した、「時間が過ぎるまで寝よう。」



深い眠りについていた南条は突然目を覚ました、何かに魘されていたかのように南条は悪夢を見ていた、横を見ると寝ている青葉の姿がある、もう一度寝ようとするものの南条は眠りにつけなかった、「はぁ…」仕方なく窓の外を見ると、向かいの部屋で何か騒がしくしているのが見えた、「深夜に何してるんだ?」

疑問を浮かべていると、騒がしかった向かいの部屋から突然爆発が起きた、「ドーーーン!」爆風によって向かいのビルにいた南条らは強い揺れを感じた、「おい!」南条はすかさず部屋から飛び出し、ビルの階段を駆け降りていった、ビルから出ると爆発が起きた部屋には既に火災が発生していた、「カチカチ、カチカチ」ふと腕時計を見ると時間は11時58分となり、時間はあと僅かとなっていた、「すぐに調べないと!」咄嗟に走り出した瞬間、気づくとホテルのベットで南条は横になっていた、「戻ってきたのか、」。

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