異世界生活・14日目

朝の礼拝から、参拝の方が途切れず続いていると聞きました。神官やシスターが忙しそうにしています。お手伝いしたかったのですが、司教様より女神像へ供える花冠を作って欲しいト頼まれましたので、エドさんと共に市街地へ向かいました。


領主様が住む街なだけあって、店が並ぶ通りはとても賑わっています。広場ではマルシェがあり、様々なものが売られていました。

お花もあったのですが、せっかくならこの地に咲く花が良いと思ったので孤児院へ持っていくお菓子類だけ購入しました。


孤児院への訪問は元々の予定にありましたので、そのまま孤児院へ向かいます。

院長先生にご挨拶して、子供たちと遊びます。その中で、この辺りに自生している花を聞きました。どうやら孤児院の裏手に花畑があるそうなので、皆でお花を摘みに行きました。


子供たちが花冠の作り方を知りたがったので、一緒に作ります。クローウッドでは白い花でしたが、こちらの花畑には、白い花弁に中央だけ薄ピンクの花がありました。形は同じように見えましたが土によって色が変わる種類なのかもしれません。


子供たちと一緒に大きな花冠を作ります。女神像へ飾る分です。小さな花冠もたくさん作りました。子供たちが女神様へお供えして欲しいと一生懸命に作っていました。きっとお喜びになりますよ、と言ったらどの子もとても嬉しそうな笑顔をしていました。


夕方の礼拝の時間が迫っていたので、急いで教会へ戻ります。司教様から許可を得て、女神像を清めていた神官様に、子供たちと作った花冠や花飾りで女神像を飾ってもらいました。


夕方の礼拝では、花で飾られた女神像から光が溢れ、教会の周辺に花弁が降り注ぎました。その花弁は人に触れるとフワリと消え、参拝の皆様を驚かせていました。


更に翌朝の礼拝では街中に花弁が降り注ぎ、体調の悪かった人が元気になったと、教会へ足を運ぶ姿が見えました。


そんな中、十数名の騎士様が教会へやってきました。目的は司教様の巡礼の旅に護衛として同行する為です。騎士のお一人が言うには、王都の方では大きな街でさえ重苦しい雰囲気が漂っていて、このように生き生きとした人の顔を見るのは久しぶりだ。との事でした。


巡教には馬車を使います。私、エドさん、司教様の三人で一台。クレイトスの神官5名で一台。シスター4名で一台という割り当てです。騎士団の方は交代で御者台と馬車の後方に同乗し、残りは馬で馬車の左右を護って下さいます。


聖女の話は伏せて、女神の神託を受けて司教が各地を周ることとなった。その話を聞き、たまたまクレイトスの教会に訪れていたエドヴァルド前枢機卿が同行される。エドヴァルド付きのシスターは女神に供える花冠を孤児院の子どもたちに指導するために同行する事となる。エドヴァルドの世話役でもあるので司教の馬車に同乗する。…という事になっています。


嘘は言ってませんよ!私の存在を隠しているだけです。何も問題はありません。

さぁ、いよいよ出発です!

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