裏切ったクソ野郎共と劣等感

テラル

第1話 歪んだ少年

「私は、直哉くんよりお兄さんの響輝くんのほうが好みだからごめんね。」


 また兄さんかよ。


「響輝くんはそんなことをするような子ではない。君が正直に話してくれればいいのよ。先生は……」


 僕じゃないのに…


「お兄ちゃんを見習いなさい!お前はな…」

「直哉兄ちゃんより響輝兄ちゃんのほうが……」


 家族ってなんだよ……

 家族って……

 家族って…

 カゾク?


 少年は自室で笑っていた。

「アハハ、アハハハハハハハハハ…

 俺は俺だ。俺の家族も俺だけだ。

 あいつらは、クソ野郎だ。」

 少年の瞳は虚ろで焦点は虚空を見つめていた。

 彼の部屋からは乾いた笑い声が聞こえてくる。

 部屋の中では歪んだ少年が笑い泣いていたとのことだ。

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