【REMAKE版】ぶらついてて出会った少女の手伝い&冒険者をする

うまチャン

第一章 〜少女との出会い〜

 

プロローグ

 それはあまりにも突然だった。

北海道で暮らしていた高校生の俺は、帰宅している途中に後ろからトラックが突っ込んで来た。

多分トラックが居眠り運転でもしたのだろう。


 たった18年間しか生きていない。

それなのに、まだまだ先の長い人生の全てを、一瞬にしてトラックによって奪われてしまった。


 ああ……俺はこれからあの澄み渡る空に向かって昇って行くのだろうか……。

それとも最近流行ってる異世界転生とかあったりしてな。

いやいや、まさかそんな夢みたいな話はあるはずがないな。

俺はこのまま天国とやらに向かっていくのだろう。










◇◇◇










 死んだあと、俺は異世界に転生したみたいだ。

そして何故か、前世の記憶・名前を引き継いだまま、この世界に生まれた。

こんな不思議なこともあるんだな。

 

 親はもちろん、兄弟もいた。

みんなすごい優しくて、笑い上戸で、遊んでくれて、そういう風に暮らす毎日が楽しかった。

 

 前世で過ごした日々に比べればまさに天国だった。

この家族のところに生まれて良かったと人生で初めて思った。

この気持ちを実感して何度泣きそうになったことか……。


 俺の親は実力者で、国でも有名な存在で俺も尊敬していた。

6歳の頃から剣の使い方、魔法の使い方など毎日みっちり教えてもらっていた。


「いいかキシ。お前は俺の才能、母さんの才能を引き継いでいるのだ! だから俺の息子としてこの国に貢献しなければならないのだぞ!もっと真剣にやれ!」


「はい!お父さん!」


 と、朝から夕方まで稽古をしていたのだ。

稽古は確かにキツかったが、自分が役に立てればそれでも良いと思っていた。

キツいけど俺に親身になって教えてくれるわけだし、期待されていたから。


それほど俺は、親のことを尊敬していたのだ。









◇◇◇









 しかし、15歳になった時、突如膨大な力に目覚めた。

森の中で危険視されているような高レベルのモンスターが出ても、その力を使えばあっという間に倒してしまうほどだった。

 

 その力はいつか俺の姿も変わった。

髪の色も瞳の色も変わり、そして、それを知った家族たちは自然と俺から離れていった。

俺を怖がって、自分の家族じゃないとでも言うように。

 

なんだ……これじゃ全く前世と変わらないじゃないか


 俺も自然とそういう思い始めていった。

そして数カ月後、俺は自分の家を家族誰一人言わずに出ていった。

どうせ、俺が家出したところで家族は何も思わないだろう。


 俺は冒険者の街へ向かっていった。

親と兄妹が俺を見捨てたのと同じように、俺も家族を見捨てた。

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