合図
私が夕飯を作る時から、家族が食べ終わるまで、オカメさんはケージの中にいます。
調理中は側に寄ると危ないですし、食事中はオカメさんが食卓に上がると、何かしら事故が起きてしまいますから。
どんな事故かって?
オカメさんが人間の食事を食べてしまったり。
それを阻止しようとして、家族が味噌汁をひっくり返したり。
長い尾羽根がおかずに刺さったり。
おかずのお皿に足を突っ込んだり。
……はい、どれもやっちゃったことがありますから、食事中はケージから出さないのです。
ははは。
オカメさんは、食事中に家族が色々と会話していても、大体ケージ内で大人しくくつろいでいます。
習慣になっているので、鳴いても出してもらえないと理解しているようです。
しかし、一人が食事を終え、食器を下げに台所へ行くと…。
ピョイ!
ピョイッ!
ピョーイッ!
ピョーーッッ!
まるでそれが合図であったかのように、突然耳をつんざく鳴き声を上げて、反復横跳びを始めるオカメさん。
家族が夕飯を終えてから、オカメさんの就寝の8時までは、一日の最後の放鳥時間。
食事を終えれば出してくれると、ちゃんと分かっているのです。
……あのぅ、オカメさん、私の夕飯は終わってませんが…。
オカメさんは知ったことではありません。
一人が終われば、とにかく待ち時間は終わったと見てアピールを続け、出してくれるまで絶叫鳴きを続けます。
『おかあしゃん はやーくっ!!』
そんな風に聞こえます。
落ち着いて食べられないからー!
そう思いながらも、食事を手早く終えてオカメさんを出すおバカ飼い主。
まだ食べ終わっていない家族のご飯を守るため、夕飯後は、日々オカメさんから食卓をガードしているのでありました。
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