呪文
ギョリ…
ギョリギョリ…
ああ、今日も膝の上から呪文が聞こえてきました。
この呪文を耳にすれば、私は動けなくなってしまうのです…。
うちのオカメさん、家族がソファーに座ってくつろいでいると、飛んで来て足の上に止まります。
両足を床につけている時は、太腿の上に。
足を組むと、上になった方の足の一番高い膝の位置まで登り、そこでくつろぎます。
家族はソファーに座り、テレビを見たり、コーヒーを飲んだりしますが、その間オカメさんは膝の上で羽繕いをしたり、時にはお弁当(オーツ麦)やおもちゃ(爪楊枝)を持ってきてご機嫌で過ごしています。
家族が動こうとして、膝から下ろそうと手を出せば、オカメさんは他人の膝の上を勝手に陣取っておきながら、その手に攻撃を食らわすのです。
なんて理不尽!
さて、そんなオカメさん。
私がソファーでスマホをペケペケしていると、やはり膝の上でくつろぎ始めます。
羽繕いをし、ズボンのシワで遊び、また羽繕いをし……。
なかなか動かない私の膝で、オカメさんは足元から体温で温められ、ほんわかふんわり眠くなってきました。
ギョリ…
ギョリギョリ…
そうです、オカメさんの呪文は、オカメさんが眠くなってきた時には発せられるもの。
眠りの前の、嘴磨きの音なのです。
インコの上の嘴裏には、洗濯板のような溝があります。
この溝に引っ掛けて、上手に素早く小さな餌の皮を剥くことが出来るのです。
インコ達は眠くなると、下の嘴でその溝を
まるで人間の歯磨きみたいですよね。
眠くなったオカメさんは羽根をブワッと膨らませ、膝の上で目を閉じて、嘴を磨きます。
そのほんわかな姿と共に、ギョリキョリと小さな音を聞けば、誰もが動くことは出来なくなるのです。
かの有名な、ラ○ホーやスリ○ルも叶わないこの呪文。
おバカ飼い主はこれを聞くと、動けなくなると共に、急激に眠気を誘われてしまうのでした。
ZZZ…。
※ 近況ノートに眠りに入るオカメさんの写真を貼っています。良かったらご覧下さいませ。↓
スヨスヨ〜…。
https://kakuyomu.jp/users/karamitu/news/16817330664009993309
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます