ルーティン

うちのオカメさん、起床は朝8時から8時半頃です。


毎朝、台所の壁際に置かれたケージの毛布をはぐると、オカメさんは、まだぼんやりとしています。

急に明るくなるからでしょうか。


扉を開けて指を出すと、オカメさんはすぐには乗らず、片足と片方の翼をスイーと伸ばし、両方の翼をぐいーんと上に立てて、準備運動。

その後に、指に乗ってくれます。


ケージから出して、私は「オカメさん、おはよう」の挨拶と共に、首の後ろと顎の下、嘴の付け根辺りの匂いを嗅ぎます。

その時、私の鼻筋に、嘴の先をコツと当ててくれるのが、挨拶を返してくれるみたいで、とても可愛いっ!


これが毎朝のルーティンです。


………いえ、ルーティンでした。




実はオカメさん、今年の抱卵期間を過ぎて、体力低下から体調を崩し、病院に通いました。

このエッセイには、うちの子可愛い!だけを書きたいので、しんどかった部分は書きません。


その時、朝晩二回のお薬を出されました。

それを無理矢理飲まされるのが相当嫌だったようで、元気になった今も、オカメさんは朝ケージから出る時に警戒するようになってしまったのです…。



朝、扉を開けて指を出すと、甘噛みで抵抗するオカメさん。

オカメさん、薬はもうないのよ!


『 いやっ 出ないんだもん! 』


……さ、寂しい…。


分かりましたよ、じゃあ、出たくなったら出てきて下さいね。

私はケージの扉を開けたまま、泣く泣く離れます。


しかし、しばらく居間で待っていても、一向にオカメさんは出てきません。

日中は扉を開けていれば、すぐに飛び出してくるというのに、そんなに警戒しているのでしょうか。



まだケージの中かと居間から覗くと、オカメさんは開いた扉の縁まで出てきていて、じっとしています。

私と目が合うと、片足と片方の翼をスイーと伸ばし、両方の翼をぐいーんと上に立てて、準備運動。


『 おかあしゃん おむかえおそいですよ 』


はい! 今すぐに!



どうやら、私が迎えに行くのをちゃんと待っていた様子。

迎えに行くと、すぐ指に乗ってくれるオカメさん。

これが、朝の新しいルーティンのようです。

ホッ。

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