ぼっちの私にクラスの超絶美少女が話しかけてきた
降谷蒼一郎
第1話
これは春木桜の物語ではない。
これは私の…そう、これは橘季月の物語よ。
_______________
2016年4月6日春
桜の花びらが舞う中、新たな生活が始まる。
校門には新生活に胸を躍らせた新入生で溢れている。
着慣れていない新しい制服に身を包みながらみんな不安と希望を胸に高校生活を始めようとしている。
それは私も例外ではない。
私の名前は
この百合ヶ丘第三高校に入学する新入生である。
百合ヶ丘第三高校は昔は女子高だったみたいだけど近年の少子化の影響で共学になった。
スポーツに力が入っていて、偏差値も悪くない。進学率もここらへんの学校ではいい方だ。さすがにエリート高校である撫子学院高校には及ばないけど。
けどそんなことなんてどうでもいい。
「まぁ…ここなら私のことを知ってる人なんているはずないわね」
校舎の中に入り、入学式がとり行われる体育館に向かった。
〜〜〜〜
「……であるからして君新入生は…」
校長先生による新入生への挨拶を私は流しながら聞いていた。
とって並べたような無難なことしか言ってない。
はっきり言って面白くなかった。
微かに眠気が襲ってくる。
さすがにここで寝るのはまずいわね。
睡魔に耐えながら、校長先生の話が終わるのを待った。
頭を空っぽにしながらぼうっとしているといつの間に校長の話は終わった。
「校長先生ありがとうございました。ただ今から新入生代表の挨拶です。」
進行役の人が噛まずに淡々と進める。
「新入生代表、
「はい!」
最前列に座っていた1人の女生徒が立ち上がり、舞台の方へ上がって行った。
興味などなかったが思わず視線を向けてしまう。綺麗に整えられたロングヘアでぱっと見おっとりとした雰囲気である。
「おい!見ろよ!あの美波ってやつめっちゃ綺麗だぞ」
「ああ、めっちゃ美人だな」
「身長も高くて足もすごく細くてスラっとしている。理想的なモデル体型で羨ましい」
「実はモデルだったりして!」
男女問わず、みんな彼女を見てヒソヒソ話を始める。
そんなことも気にも止めず、彼女は登壇して
新入生代表の挨拶を始める。
私は黙って、彼女の挨拶を聞いた。
受験前にいろいろあったし試験の時もあまり真面目に解かなかったけどまさか私が2位なんて…
別に新入生代表の挨拶をしたかったわけではないけど自分が1位じゃないのは気に入らなかった。
まぁ、いいわ。
どうせこの先はずっと私が1位なんだから
彼女の挨拶が終わり、そのまま入学式は終わった。
先生の案内があり、私は指定された教室に向かった。
教室の目の前で入る教室が間違ってないか確認する。
一年一組と上に書かれていた。
ここで合ってるようね。
私はそのまま教室へと入って行った。
黒板に生徒の席の位置が書かれている紙が貼られていた。
私の席は窓側から2番目の1番後ろの席だった。
どうせなら窓側の後ろが良かったわ。
私は自分の席に座り、教室の様子を見た。
すでに仲のいい生徒同士でグループができていた。
確かこの学校は北中学と西中学から進学してくる人が多いのよね。
道理で初日からみんなこんな慣れ親しんだ様子で話しているのね。
特にすることがなかったので私は適当にスマホをいじりながら担任が来るのを待つことにした。
徐々に教室に人が増えていき席が埋まっていった。
けど窓側の左隣の人がなかなか来なかった。
初日から休みかしらとさほど興味を持つことなくスマホをいじる。
すると後ろの方から声をかけられた。
「あら、あなたが隣の人なのね」
ゆったりとした感じだが耳に残るような居心地の良い優しい声色だった。
声の主の彼女はそう言って窓側の席に座る。
それはついさっきの入学式で新入生代表を務めていた生徒だった。
「
彼女はそう言って優しく微笑みながら私に自己紹介をした。
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