何代目かの勇者活動
カノン
第1話「Let's 転生」
「…?」
不思議な感覚に包まれ目を開く
視線を動かした範囲だけでもわけわからん風景しか目に写らない
「あなたは死にました」
「うぉっ!?」
目の前に…急に俗に言う美少女ってやつがでてきて驚かない人はまあいねぇ…だろうん
「
適当すぎやしませんかね
「死因とか覚えてないんですけど…」
「一言でいうなら天災ですかね☆認識できてないのも当然です、極小の大気圏を超えた隕石が脳天に直撃、貫かれて死にました」
ニカッとした笑顔で平然と言いやがる…
「納得できなくても納得して欲しいです、あなたは今からいわゆる神託を受けて転生してもらうんですから」
両手を大きく上げながらそう言う
…これは…転生ものってやつか?沢山知ってるってわけじゃないけどいくつかは読んだことあるから知ってはいる
「おっ納得できたみたいですね、よかったです」
顔ちっか
というか心読めるの?この…人?
「あなた達の認識で言うとこの神様のようなものですよ!なめないでください!」
今度はターンして下がっていった賑やかだなぁ
「それで、神託ってのはなんなんです?」
「あなたは勇者に選ばれました、異世界にて悪を討ってください!」
…
……勇者
「嫌でしたか?」
「ああいや、気にしないでいいんだ、勇者、勇者か」
勇者…俺が勇者か
「使徒だったり天使だったり人によって違うの名乗ることもありますけどね」
「他にもいるってことか?」
「ああ、同時期には居ませんよ!」
今もずっと動きながら喋っているが疲れ…たりはしないんだろうな、うん、落ち着きがないこの神様
「なんで俺が勇者に…?まあ…選ばれたからにはやってやりましょう!勇者を!の気持ちはありますけど」
「んーー!いい返事!あっりがとうございまぁす!まあ拒否権は無かったのでやる気あってくれて嬉しいです!」
縦横無尽に飛び回りながら大きな声で騒いでる…さすがに…うるさいな
「あっごめんなさいごめんなさい」
なんだろう、汎用モーション組み合わせたような動きなんだよな、さっきから
何を表現したいのかわかりやすいからいいが
「あっ自己紹介しますね、私は簡単に言ったら戦の神、えーと、あっそうだ、アテナ!アテナみたいなもんです」
「じゃあアテナさん、質問とかいい?」
「もっちろんです!答えられるものは答えます」
よかった、転生実行される前に色々聞きたかったんだ
「転生後の姿形は?」
「生前の肉体とほぼ同じものを用意しようかと、転生ではありますが形を見れば転移のが似てはいるんですかねこれ、今セッティング中」
なるほど、ほぼ同じってのとセッティングってのを聴くに世界に馴染めるような肉体にしてくれるってことだろう
「世界観は?」
「環境という点でいえば地球と大差ありません。ですが魔法だったり亜人と呼べばいいですかね?も居ます。科学レベルは地球ほどは無いですが低いわけでも無いですよ、学問もある程度発達はしてます。まあ王道ファンタジーな感じのイメージでいいと思います」
だったら生きる事に慣れるのにそう時間はかからなそうだな
「悪って?」
「んー答えられない!私は知らないからね!」
…なるほど?
「これに関してはごめんね、わかり次第わかった範囲を伝えようと思ってる」
…まあチュートリアル終わった直後にラスボスのとこ向かうようなムーブはするつもりないし別に問題は無さそうかな?
「アテナさんとは今後も連絡取れるってこと?」
「うん、呼ばれたら…ああ適当にスキルみたいな形で与えとくね、連絡経路を。あっでもあれだよ、教えられないことのが多分多いし、手助けとかはできないから。行動は好きにして良いんだよ」
放任だなぁ
あとスキルとかある感じなのか
「あっいやーなんていうかスキルってか固有能力があるって感じかなぁ、ステータスページみたいのやMPとかの数値があるわけでもないし」
「転生者特典なのか?」
「ううん、普通に存在してるよ」
ラスボス側は持ってるんだろうな、こういうの的に
「そうだ転生者特典とかって…あるの?」
「もっちろん!勇者だしね」
チート無双ってやつ、かな
「あっごめんね、おそらく無双はできない、神様から力を与えるのは"闘えるようにするため"だと思って欲しい」
なるほど
「まあとりあえず『勇者の
「スラッシュ?ソードやブレイドじゃなく?」
「スラッシュです」
こだわりかな…うん、触れないでおこ
「そしてあとはあなたの生前の記録を能力化していくよー!あっ悪い要素は能力化しないよあるかも知らないけど。『勇者の
由来がわからないから特にコメントできないな
「珍しいの?」
「うん、だいたい一つだよ、まあ旅の途中で目覚めたりとかもあるけどね、あと常時発動しない能力は小さかろうが声に出した方が使い勝手いいかなー。基本的に魔法や技も、この世界ではそうだね」
そういう感じか~不意打ちとか難しそうだな、こっちもされにくいって意味ではあるが
まあ特に、もう聴くことは…あっ
「アテナさんの姿ってそれなのか?」
金…というかマジで輝いてる髪とハイライトまみれみたいな瞳、純白の長い四肢と纏っている美しい衣
神様らしい見た目ではあるが、これがアバターとかだよーってんなら、なんか、知りたい
「あー、んー、別にこれが偽物の姿ってわけじゃないよ、本当の姿かって言われると悩んじゃうけどね。綺麗ではないよ、だからこの姿してるわけだし」
そんなこと言われたら見たくなる、それが人間
「いや希少だよ多分!まあいいよ…はい」
目の前の女神は消え…現れないな?…!?
後ろを振り返るとそこにはなんだ、肉塊?…すくなくとも今はそう目に写る…いやよく見たらなにか…移り変わっているような
「………これ…が?」
「そそ、これが私」
おぞましい、と言えばいいだろうか、わからない、忌避感、嫌悪感と同時にそれは魅力を放っているのだ
「ごめん、謝罪する、戻って」
「あっ大丈夫大丈夫、戻る戻る」
肉塊は姿を消し、女神がまた現れる
「あはは~ああ安心して、別に異世界にこんなのが沢山あるわけじゃないから」
なんかとても、申し訳ないことをしてしまった気がする
「質問はまだある?」
「追々にするよ」
「OK!」
女神様は元気にピースサインを作って跳ねている
「じゃあ転生させるよ!転生先の場所は…どうする?」
「いい感じの、都会から離れてるってわけでもない田舎に」
「名前はどうする?」
「そうだな…」
名前、名前か、考えてなかったな
だーが問題は無い、言われ慣れてる良い名がある、SNS青い鳥で使っていたアカウントの名前を二つ繋げよう、それで名前らしくはなる
「パスパルトゥー、ニンファス·パスパルトゥー」
「おもしろい名前だね!よし、じゃあ新しい世界へ!行ってらっしゃ~い!」
視界が白く染まる、体が軽く浮いていく、そして眠りにつくように体の感覚が無くなっていき………
「げほっごほっ」
余りにも感覚が無くなりすぎて呼吸してなかった…と、脚の下には地面、上を見上げれば青空、どうやら異世界に来これたらしいな
「んじゃあ色々試しますかね…」
─説明欄─
『勇者の
魔力効率上昇と肉体の強化
ゲーム的に言いうならば全ステータスの向上のようなもの
また再生能力向上、自然治癒の延長線上が基本なため戦闘中に大ケガが勝手に治るとかではない
『勇者の
地球における白剣の人生から抽出された能力
精神汚染への耐性
『
白剣の人生から抽出された能力
誘惑·魅了などの精神干渉耐性
未判明効果あり
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