第9話 入学式

 おはようございました。ホヨです。今日はフジヤマ学園の入学式です。しかしいきなり大変な事が起こってしまいました。

 ホヨは……ホヨはうたた寝をしてしまい、式が終わるまでほとんど話を聞いていなかったのです。Fクラス担任の千堂せんどう先生にもバレていたようで、苦笑いで怒られてしまいました。ほよよよ~↓。


 入学式の最後には1年生が全員【中級エディットオーブ】という綺麗な宝玉を供えた台座に手をかざしました。なんでもこの道具でホヨ達のレベルやステータス、アビリティなどを調べてフジヤマ学園や冒険者ギルドの総合データベースに登録するそうです。すっかり忘れていましたが……ここはゲームを基にした世界でしたね。こういう部分も日常にしっかり溶け込んでいるのですね~。


 教室に入ると40の机が並んでいます。最初は一番前のドアから入学試験の成績順で席が決められているようです。ホヨの席は……わお! 最後から2番目! とてもギリギリだったようですね。確かに問題も体力テストもとても難しかったのですよ。

 ちなみにホヨの後ろの人は……わお! とても背が高くてキレイな女の子です! 立ち振る舞いの節々からどことなく高貴な雰囲気を感じられます。ホヨはちっちゃいけど前の席なので黒板が見えなくなる事もなさそうです。よかたですね~。


 全員が席に着いて、先生がこれからの日程について話をします。明日は学園の施設を巡り、その後【フジヤマダンジョン】入口までの視察と多少の座学。そして明後日から本格的に授業に入っていくそうです。今日は生徒達に冒険者端末と呼ばれるものを配布して解散です。名前を呼ばれて端末を受け取り、さっそく左手に取り付けてみます。冒険者としての自分のデータも見られるそうなので、「ステータス確認」をしてみましょう。




―――――――――――――――――――――――――

◇海月野 火夜代(みゆえの ほよよ)

CLv:1/未登録

JLv:1/ビギナー

HP:17/17

MP:54/54

SP:24/24

STR: 4  VIT: 6  SEN:20

AGI: 6  INT: 4  MND:18

MAG:29  AC/SC:3/3

・アビリティ

【Lv1:★天魔特異点】

【Lv1:無属性魔法】

・スキル

《マジックアロー》

―――――――――――――――――――――――――




 文字や数字がいっぱい書いてありますね。難しい漢字やら魔法やらありますが……これらが一体何なのかホヨは全く分かりません。明日には先生が色々と教えてくれるでしょう。先生の話が終わりました。さてさて、これからどうしましょう。



▽ワルミ

「………海月野さん、でしたわね?

 お話がございますの…お時間よろしくて?」


 後ろの席の女の子が話しかけてきました。おや? ホヨはこの方に名前を教えていないはず……先生から怒られている時に聞いたのでしょうか。


▽ホヨヨ

「あい~~~ ホヨです~~~

 よろしくてよ~」


 よいです。ホヨは笑ってOKしました。早速誰かとお友達になれるチャンスが到来しました。



 ………この時、彼女の右手にがある事を見落としていました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る